VWのEA189エンジン排ガス不正問題に思う:その9、各国の当局が動き始めた

VW排ガス不正事件では前回の10/16の時点からかなり動きがあった。
世界的に当局が動き始めたのだ。
それは各国当局が自国の排ガス規制に対しての違反行為が無いかという疑心暗鬼になっているためだ。
VWロゴ

フランスやスペインで当局が動き始めた

この問題の焦点は各国が環境対策のできた車に対して補助金を出しているという事情がある。
これは日本でも同じだがそれだけに国家に対する詐欺行為という問題となっているのだ。

VWはダイムラーから役員を迎えるという動き

これまたはたから見ていると良く理解できないのだがVWはダイムラーから倫理法務担当取締役を迎えるという事になったようだ。
倫理法務担当というのはコンプライアンス担当という事だろうが社内ではこうした人材はいないのだろうか?
それもダイムラーと言えばメルセデスの親会社のような存在の会社なのだ。
ライバル会社からコンプライアンス担当役員を迎えるという事だ。

この背景にはドイツ政府等の政治的な動きがあるのかもしれない。
それほどドイツにとっては経済的に大きな問題なのだ。

日本でも動きがあった

東京モーターショー2015でVWの部門トップが会見に応じたのだ。
報道によると非常に謙虚な姿勢で会見に応じた。
途中で中止する事も無く全ての質問に答えたという事だ。

こういう状態に置かれたVWだから当たり前と言えば当たり前だが無難にこなしたのではないだろうか。
特に日本はVWが対象となるディーゼルエンジン車を販売していないだけにまだダメージの少ないマーケットだから大事にしないといけないのだ。

ディーゼルエンジンに対する影響

各国の規制や検査がより厳しくなる可能性が高くそのためのコスト増が製品価格に反映されてしまう事も懸念される。

一方ディーゼルエンジンに必要な排ガス浄化関連の機器メーカーには追い風となっている。
ディーゼルエンジンはすぐに無くなるわけでもないしこれからも作られ続ける事だろう。
従って規制がより厳しくなればこうした排ガス浄化関連の機器メーカーはより必要とされるようになる。

VW排ガス不正事件についてはこのような動きがあった。
ただ個人的に思うのは原因解明が明確にされていないという事が心配だ。
根本的に原因を排除しない限り同様の事が起こり得るだろう。
それをVWは会社として明確に世界に向かって発信しなければならない。
どうでないとユーザーはVWという会社を信頼できないだろう。
まだ先は長そうだ。

VWのEA189エンジン排ガス不正問題シリーズ記事

VW排ガス不正」というカテゴリーを作ったので見て下さい。

 

今回はこのへんで
では