勝手に2015年の締めくくり 車に関して重大な変革期である2015年を振り返ってみた

昨年の年末は1年を振り返った記事を書かずにいた。
今年はちょっと振り返って見たくなったのだった。
なぜか?それは自動車を取り巻く環境の変化が非常に大きな年だったと思うからだ。
ひょっとしたら2015年という年は後世に残る年になるかもしれないとも思う。
そんな風に感じる2015年をいくつかの切り口から振り返ってみようと思った。

総合的な見方

世界の自動車業界にとっても2015年は大きな節目になった年ではないだろうか。

世界の自動車業界

一番びっくりしたのがVWの排ガス不正問題だろうと思う。
あれだけお堅いイメージのVWの信用が地に落ちたのだ。
元々お堅いイメージを持つだけに余計にダメージが大きいと思う。
さらにビックリなのがVWの成り立ちと自浄作用なのだ。
VWは特殊な会社だけに内部では天狗になっているのだろう自浄作用が働くのが遅く甘い。
管理人TomTomはこの会社はもうダメかもしれないとさえ思っている。
ただ違った見方をすれば堅いだけで面白いところが無いとも言えるかもしれない。

VWロゴ

また世界の自動車会社の合従連衡が進んだようにも見受けられる。
ハッキリ言ってこのメーカーはどこの資本だろうと調べないと分からない時代になった。

エネルギー&温暖化問題

この問題は地球規模的に非常にシビアになってきた。
途上国は先進国のせいだと言っているし、それはある意味当たっている。
しかしながら今やらねば地球が崩壊してしまう。
という背水の陣で事に当たらねばならない時代だ。
それだけに燃費やCO2の排出量についての規制と対応する技術は凄く進んだと思う。
気になるのはそれを実現する技術が統一されたというか同じような事になってしまっているところが面白くない。
もっと多様な技術が登場しても良いと思うのだ。
PSAグループがやっていた圧縮空気を使ったハイブリッドなんて非常に面白いと思うのだがどうなったのだろう。

ユーザーの変化

自動車メーカーの方も様々な策を打ち出しているがユーザーもこの1年で意識がかなり変化したのではなかろうか。

エコ志向の定着

日本国内を見てみれば軽自動車と言うのは完全に定着した感がある。
現在は一時の勢いを失って失速気味だが軽自動車バブルを過ぎて定着しそうだと思う。
そんな中でエコでお手軽に負担軽く乗れる軽自動車と言うのはユーザーにとってありがたい存在だ。
経済的と言うだけでは無くこれからは多様な軽自動車の楽しみ方が現れるだろう。
また軽自動車以外の車についてもある程度こうした方向性が消化されてモノになったのではなかろうか。
一つ気になるのは世界を見渡せばこうしたエコ志向とは逆の方向性も現れている事だ。
その国のエネルギー状況や経済状況によってある程度は仕方のない事だが大パワーの車も相変わらず隆盛なのだ。
世の中、両極端になっていっている。

お手軽カスタマイズに見る差別化

経済的な事だとか時間が無いとか様々な事情があるだろうかお手軽に他の人と車を差別化するという方向性はますます顕著になりそうだ。
アフターパーツマーケットではこの方向の商品が伸びたしこれからも伸びるだろう。
カスタマイズや車弄りに関してはお手軽派と本格的に弄る派の両極端に分かれていくような気がしている。

安全意識の高まり

安全に対する意識の高まりからドライブレコーダーのような商品も定着した。
車にも自動ブレーキがほぼ新車には装備されたのではなかろうか。
管理人TomTomは古い車に乗っているのでこうした安全装備はまだ装備されていないが当たり前の年になった。
一昔前は急ブレーキを踏むとハザードが点灯する車は輸入車だけだったが今ではあまり珍しいモノでは無くなった。
こうした安全装備に関する意識が非常に高くなった年では無かっただろうか。

パナソニックのCA-XDR50D、2015年6月中に発売開始の予定

自動車メーカーに向けられるユーザーの目

VWの例を出すまでもなくユーザーが自動車会社の姿勢に注目するようになったと思う。
例えば国内自動車メーカーは北米を向いている会社とそうでない会社に温度差が激しくなっているように思う。
北米を向いている自動車メーカーの車はサイズも大きく大味になって来ていて車自体も面白くない。
それがその自動車会社全体からプンプンと匂うのでモデルがどうのこうのではなく会社ごと違和感がある。
こうした事はユーザーは敏感に感じ取っているものだ。
自動車メーカーは心して掛かった方が良いだろう。

自動車に関する技術

この分野は大変な事になっていると思う。

何と言ってもFCV

水素を使って車が走るというのは画期的な事だろう。
きっと2015年は後世に記録される年になるだろうと思う。
個人的にも前倒しで実現したFCVの一般市販化は素晴らしいと思うしさらにこの動きは政府の後押しもあり進みそうだ。

アメリカでのミライのキャッチフレーズ

燃費技術

FCV以外については日本ではPHVが弱い。
本来はこのPHVがEVやFCVへの移行期の中心とならないといけないのだがそうなっていない。
逆にヨーロッパ勢はこの辺りを押さえるのが上手くPHVを中心に据えているところが国内メーカーとの大きな違いだ。

個人的なハイライトはディーゼルハイブリッド

個人的にはディーゼルハイブリッド車がデビューしたのが大きいと思っている。
しかもそれを日本ではメルセデスがS300hで初めて実現した。
ガソリン以外にもハイブリッドを拡張した功績は大きいと思う。
次はPSAの圧縮空気ハイブリッドが出てくればもっと面白い事になると思う。

バイワイヤの登場

個人的にはこれはあまり好きではない。
自動車は運転する歓びから言うと機械的な動きと人間が長い間関わってきた。
それがゲームのような関係になってしまう時代に入ったのが2015年だ。
日産のステアリングバイワイヤなんかがその最先端だ。
ステアリングへのフィードバックはソフトウェアにてコントロールする時代なのだ。
もうこれはゲーム感覚だ。
同様にミラーもこの傾向にある。国交省が認可しそうだとの事でますますミラーがモニター化していくことだろう。
なんでもモニターと言うのは違和感があるが時代の流れなのだ。

SbyWire

安全装備についても一気に進んだ年だ

高級車から軽自動車まで自動ブレーキや追従装置が装備され充実した年になったと思う。
新車を購入する際にこうした安全装備の事を外しては考えられない時代になった。
2015年一気に加速したのではなかろうか。

デザインと感性

車両のデザイン面でもかなりの動きが見られた年となったと思う。
一番目立つのはマツダとレクサスでダイナミックなデザインが出来るようになった。
好みの問題はあるが今までの日本車から一歩脱皮したような印象がある。
個人的にはヨーロッパ勢ではやはりルノーのデザイン力は一歩抜きんでていると思う。
またレンジローバーも大変面白いデザイン路線を走っていると思う。

「RX-VISION」デザインのサイド画像

感性の数値化

前述のデザインも含めて人間の感性と言うのは数値化するのが難しく永遠のテーマなのだ。
こうした人間がどう感じるかというところを推し進めた年でもあったと思う。
デザイン面、マーケティング面、さらに色や触感、これらが運転感覚等々に生かされ始めていると思う。

ITと自動車

先端分野では車産業とIT産業が合体したような事になっている。

コネクティッドカー

コネクティッドカーや自動運転では自動車会社はもとより以前からのITベンダーも車に関するビジネスを真剣に立ち上げに掛かっている。
マイクロソフトやグーグルやウーバー等々の事だ。
一種のコネクティッドカーバブルと言えるだろう。
果たしてそれらの製品がマーケットに出てくる時に何社が生き残っているだろう。

Googleの自動運転車

自動運転

日本では自動運転の技術が画期的に進んだ年となった。
実際に路上で自動運転車が走る事になったからだ。
その背景には東京オリンピック&パラリンピックがあるのは間違いない。
もっと突き詰めれば日本の地方における過疎化や高齢化社会それに福祉を解決する一つのキーとなる可能性があるからだ。
管理人TomTom自身もこれには大いに興味があり動きを重点的に見て行きたいと思う。

エネルギー問題

技術面でも述べたが化石燃料以外の車が出てくるようになった。

モビリティーと燃料確保

皆さんも車の燃費がどんどん良くなりガソリンスタンドへ行く機会も減ったのではないだろうか。
たまらないのはガソリンスタンド側だ。
商売として成り立ちにくい時代となって来ている。実際ガソリンスタンドの廃業も目立つ。
EVやFCVが出てきたのでこの動きはもっと加速する事だろう。
しかし良く考えてみてほしいガソリンスタンドがどんどん減っていくと困るのは我々ユーザーなのだ。
特に地方ではかなりの距離を走らないとガソリンスタンドが無いということにもなりそうだ。
エネルギーステーションとしてガソリン、電気、水素を供給するような施設が一定距離ごとに必要になりそうだ。
法律的には一緒にするのは難しいかもしれないがユーザーにとっては分かり易いと思う。

車と航続距離

管理人TomTomは車の航続距離は大変重要だと思っている。
それはガソリンでも電気でも水素でも変わりないと思う。
これを長くするには燃費を上げるかタンクを大きくするしかない。
前述したように燃料確保が地方へ行くと難しい時代になればこそ重要な問題だろうと思う。
EVについても多少長くはなったがまだまだ不足だろうと思う。

社会インフラと自動車

ここは実用品としての自動車と嗜好品としての自動車がハッキリと別れてくるだろうと思う。

自動運転

前述したが自動運転が日本の地方における過疎化や高齢化社会それに福祉を解決する一つのキーとなる可能性があるからだ。
まさにこの分野は自動車の実用品としての性格だ。

地方活性化

自動運転の延長線上にある地方の交通インフラを自動車に頼っている部分が自動運転により変わっていくだろう。

高齢化

管理人TomTomも含めて日本は超高齢化時代に突入していく。
そうした中で自動車の役割も少々変わったものになるはずだ。
電車と異なりどこへでもいつでも出かけられる本来の自動車の楽しみとは逆の部分だと思っている。
こうした事が高齢化社会の解決策のひとつになる可能性が出てきた1年だった。

車の楽しみ方の変化

現在では相変わらず化石燃料を燃やして車を走らせ速いだのコーナリングがどうだのと楽しんでいる。
これが随分と変わっていきそうな気配が感じられる時代になってきた。

ポスト化石燃料時代の車の楽しみ方

例えばプリウスで燃費をどこまで伸ばせるかという楽しみをしていた方も多いだろう。
今までとは異なる価値観と楽しみ方がユーザーが見つける時代になりそうな予感がある。
現在ではまだ予感だけで具体的な事は分からない。
現在持っている工具なんかも全く役に立たない時代が来るのだろうか?

管理人の遠征用工具セットの中身

モータースポーツも変わる

例えば2015年で目についたのはフォーミュラEというカテゴリーだ。
文字通りEVのフォーミュラーカーだが世界各地の市街地サーキットでシリーズ戦を展開している。
最初見た時は違和感があったのだが次第に見慣れてきたのも事実だ。
こうした事が進んで行ってモータースポーツのあり方も変わっていきそうだ。

目下の管理人TomTomの目標は若い頃出場していたラリー競技に改めて参加したいと思っている。
早くしないと体力が持たないようになってしまうがEVやFCVでラリーという時代も間近に迫っている。

Formula_E

古い車の楽しみ

いつの時代にでもなんのモノでも古いモノのジャンルは生き残っているのだ。
車に関しても化石燃料車が懐かしく思えてコレクターズアイテムになる時代になる事だろうと思う。
マニュアルミッションなんかも2015年はイロイロと新車で出てきたがこれはろうそくの消える前のひとがんばりなのだろうか。
自動車を自由自在に操るという欲求はまだまだ消えそうにない事は良い事だし人間にとって自然な事だ。
MT車を手に入れるなら今がチャンスかもしれないとも思うのだった。

新型フィットRSのMTシフトレバー画像

1年間ありがとうございました

当ブログを読んでいただいてありがとうございます。
なかなか書こうと思っている事が書けなかったり時間が無いために内容が追いついていなかったりとこの1年は四苦八苦いたしました。
見苦しい部分も多々あったと思いますが2015年の年末を迎えれたのは読者の皆さんのおかげであります。
沢山の方が当ブログを読んで下さり勇気付けられました。

もっともっと自分の思うところをストレートに分かりやすく書いて行こうと思っています。
これから車と付き合い方が変わっていくだろうと思われるこの時代にユーザーとしてどうすれば良いのかもじっくりと考えてみたいと思います。

また技術面もさることながら車をどう楽しめば良いか?どんな楽しみがあるのか?という点も追及していきたいと思います。
もちろん車弄りに関してもさらに楽しみつつ記事にしていくつもりです。
読者の方の楽しい車生活にお役に立てれば大変うれしく思います。

では良いお年をお迎えください。