市販FF車ニュル最速の座を奪った意外な伏兵「Golf GTI Clubsport S」を見てみる

市販FF車でのニュル最速記録に新たな伏兵が現れた。
なんとそれはVWの「Golf GTI Clubsport S」だった。
VWやゴルフのオーナーには申し訳ないがゴルフがこうしたハンドリングマシンである認識が全く無かったので非常に意外な事だ。
ゴルフGTIは管理人もゴルフ5GTIピレリに乗っていたことがあるが決してコーナリングマシンという性格では無かった。
どちらかというとGT(グランドツーリング)的な性格だったのだ。

「Golf GTI Clubsport S」のニュルでのコーナリングの図

市販FF車のニュル最速記録とその効果

管理人が市販FF車のニュル最速記録を意識し出したのはルノーの「メガーヌR.S.トロフィ」がこの記録を取ってからだ。
その後セアト「レオン・クプラ280」に奪われたが再度「メガーヌR.S.トロフィR」で奪還している。
その後読者の皆さんもご存じのようにホンダFK2シビックType-Rが最速記録を持っていたのだった。
そのタイムが7分50秒という事だった。

今回「Golf GTI Clubsport S」がたたき出した記録は7分49秒21ということになっている。

ニュルでの最速記録を争う意義はイロイロあるだろうが中速域から高速域でのハンドリングが良いという事になるのだろう。
特にヨーロッパではラリーの成績が販売に直結するだけにこうした記録が販売に及ぼす影響は大きい。
だから今回のようにVWがゴルフで市販FF車のニュル最速記録を狙ったのだろうと思う。

ただ冷静に考えてみれば特に日本では200km/hからのコーナリングなんて経験する機会は全く無い。
どこかのサーキットへ行けば直線で200km/hを出す機会はあるだろうがコーナリングは無いだろう。
だが大は小を兼ねるとも言うのでこれだけのポテンシャルがあるという証明にはなる。

「Golf GTI Clubsport S」のニュルでのコーナリングの図その2

コーナリングの楽しくないゴルフファミリー

前述したように管理人TomTomもゴルフ5GTIピレリに乗っていたことがある
その時に思ったものだがゴルフはGT(グランドツーリング)なのだ。
決してコーナリングマシンでは無かった。

管理人TomTomが気になったのはまずエンジンだ。
エンジンは低回転から強力なトルクを発生するのでパワーの割りには大変乗り易い。
だが高回転は回らないディーゼルエンジンのようなガソリンエンジンだ。
それにパーシャルスロットルでの付きが悪くて細かいワインディングではアクセルワークが決まらないのだった。

次に重量配分が管理人TomTomが理想とするよりも前寄りになっていてノーズヘビーな印象は初代ゴルフから共通だ。
だからブレーキングで目一杯前荷重にしてコーナリングを開始すると前輪が悲鳴を上げてコーナリングフォースが出ない。
この改善にはドライビングスタイルを変えるか車のセッティングを大幅に変えるしかない。

こんなゴルフが市販FF車のニュル最速記録を出したのだ。
考えてみればタイトコーナーは苦手だが超高速コーナーは得意なのかもしれない。

VWは排ガス不正事件からの脱却を狙う

アメリカでのVW排ガス不正事件はやっと先が見えてきてユーザーの車を買い取る方向で動いているようだ。
VWにとって残された課題は大変多いがやっと先が見えてきたのだろう。
個人的には組織的な犯罪と言う部分にメスが入っていないのが気に入らない。

という事でVW的には積極的に打って出る時期になったという事なのだろうと思う。
ユーザーに少しでも明るい話題を提供してイメージ回復に努めなければならない。
そこで市販FF車のニュル最速記録をゴルフで達成してしまおうという事になったのだろう。

しかしこのゴルフ1のカッコ良さはなんだろう。
こうしたスペシャルモデルを作るならゴルフ1の復刻モデルを作る方がよほど良いと思うのだがどうだろうか。

初代ゴルフGTIと「Golf GTI Clubsport S」

「Golf GTI Clubsport S」という車

「Golf GTI Clubsport S」自体は世界限定400台のスペシャルモデルとなっている。
ボディーは日本に入っていない3ドアハッチでエンジンは2.0LのTSIで310PSのパワーと380Nm/1,700~5,300rpmのトルクを発生する。
0-100km/hは5.8秒の俊足だ。

「Golf GTI Clubsport S」のフロント画像

「Golf GTI Clubsport S」のフロント画像その2

「Golf GTI Clubsport S」のリア画像

日本に入ってくるかどうかは分からないがゴルフ好きには気になるスペシャルモデルであることは間違いない。

今回はこのへんで
では