「トヨタの人づくり 豊田章男の闘い~小谷真生子経済ルポスペシャル~」を見た感想

管理人がたまたまTVを見ているとBSジャパンで「トヨタの人づくり 豊田章男の闘い~小谷真生子経済ルポスペシャル~」という番組をやっていたので見てみた。
ちょっと意外だったのは社長の章男さんがモータースポーツ活動に携わり始めたのが10年前だったということだ。
現在トヨタは日本の自動車メーカーで社長自らモータースポーツ活動に参加する会社として共感を呼んでいる。
それは大変良いことだと思うしそうすることでユーザーの言うことも理解できるようになったことだろうと思う。
管理人もこうした姿勢を見せる章男さんの大ファンだ。
今回は真面目にこのあたりのことを考えてみた。

Toyota-GazooRacingのロゴ

どんな番組だったのか

「トヨタの人づくり 豊田章男の闘い~小谷真生子経済ルポスペシャル~」という番組はトヨタが良い車を作るために人材育成でどのようなことを取り組んでいるかということを紹介するものだ。
その内容は多岐にわたり様々な内容が出てくる。

例えば次のようなことだ。
ニュル24時間耐久レースに参加し様々な難題を乗り越えることで現場対応力を向上させるとか。
トヨタが創業時から設立している学校ではどういった教育をしていてどのような役割をもたせるのかとかということだ。
こうしたことはトヨタがいかに人材育成に重きを置いているかということを紹介するものだ。
こうした人材育成については素晴らしいと思った。

気になったのは社長の章男さんがモータースポーツ活動を始めたのが約10年前だということだ。
テストドライバーの故 成瀬さんからスポーツドライビングを学び、レースやラリーに自ら参加するというところまで発展している。
社長自らこうした動きをして、さらにそれを発信するということは素晴らしいことだ。

競技の場で鍛えられる

何のツールでもそうだが競技に使用されることで日常ではさらされることのない高ストレスの環境に置かれる。
こうした厳しい環境がツールを改良し鍛え上げる。
そしてそれが一般の製品に対してもフィードバックされよりよい製品となっていく。
これは何も車だけのお話ではなくてスポーツに使われるツールでは一般的なことだ。
製品作りに関して競技の場から得られる情報は非常に多いことだろう。

舵取りの難しくなった現代の自動車メーカーの経営

巨大企業の経営は今も昔も大変なことだ。
行け行けドンドンの時代ではなく地球全体のことも考えないといけない難しい時代だ。

自動車メーカーは自動車だけを作っていたら良いという時代は終わった。
自動運転を代表選手としてありとあらゆる産業や分野を巻き込みながら社会インフラ産業となろうとしていると思う。
そんな時代の自動車メーカーの舵取りは大変難しいだろう。
だから自動車メーカーの社長がモータースポーツにうつつを抜かす時間があるのか?という感じだろうと思う。

だけど基本に立ち返れば自動車のユーザーはたいへん幅広い層から成り立っている。
道具として徹底的に使い倒す人、動けば良いと考える人、まるでペットのように可愛がる人、走りにこだわる人、車を深く味わう人、それこそユーザーの数ほど使い方があるだろう。
その中でも車を大好きな人達の生態を知るということは非常に大事なことだろう。
さらにその人達と同じ言語でお話しできるということはさらに重要な事だろうと思う。
同じ言語でお話しができるというのはその感覚を共有するということだ。

好き者を理解するには好き者であることが必要だ

今回TV番組を見ていて引っかかったのは章男社長がモータースポーツに関わり始めたのが約10年前ということだ。
とするとそれまではモータースポーツとは無縁だったということだ。

ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーの経営陣で自ら自動車競技に参加する人は多いし好き者がたくさん存在する。
クラシックカーを収集して自ら修理する人もいる。
つまり車に入れあげる程度が全く異なることだ。

ヨーロッパやアメリカと日本では車文化が大きく異なる。
だからしょうがない面もあるが個人が自動車に入れあげる程度が全く異なる。
そうこれは文化なのだ。

自動車メーカのトップが競技を経験しなくて自動車作りが分かるのか?

トヨタだってそれまではモータースポーツを体験したことのない社長が指揮していたのだろうか。
こんなことで味わい深い車の乗り味が作り出せるのだろうか。
と単純に思ったわけだ。

トヨタに限らず自動車会社のトップがクルマ好き つまり カーガイであることは必要だろう。
それで初めてクルマ好きなユーザーと同じ言語で理解し合えることができると思うのだ。
自動車会社のトップがユーザーの言っていることが分からないということでは良い自動車は作れない。

思えば日本ではやっとトヨタ自動車がこうしたところに足を踏み入れたばかりだ。
じゃ日本の他の自動車メーカーはどうだろう。
こうした活動をしているのならもっと宣伝すべきだしユーザーに知ってもらうべきだ。
こうした思いをしているユーザーは多いのではないかと思う。

今回はこのへんで
では