車のホイールのナットは頭隠して尻隠さず鉄が良い 奥が深いホイールのナット

 

国産車のようにハブからスタッドボルトが生えている場合はホイールをナットで固定する。
このホイールを固定しているナットにはたくさんの種類があるのをご存知だろうか。
車やホイールにあったナットを選択しないとしっかり固定できず緩んで危険だ。
普段はあまり気にしないホイールを固定するナットについて書いてみた。
輸入車ではハブからスタッドボルトが出ておらずナットではなくボルトで固定する車が多い
ここで前提とするのはハブからボルトが生えているタイプを考えてみる。

EK9のスタッドボルトをトルクレンチで締める

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ホイールの固定ナットは消耗品

例えば家で使う普通の用途の車だとタイヤ・ホイールを脱着するのは年に2回くらいだろうか。
スタッドレスタイヤに履き替えるとかローテーションを行うというような場合だろう。
こうしたタイヤ・ホイールの脱着がほとんどない状態ではナットは消耗しないだろう。

一方サーキットへ通う人を始めとする積極的に走る人はタイヤ・ホイールの脱着を頻繁に行うだろう。
さらに走る前に増し締めを行ったりすると思う。
例えば管理人TomTomがサーキットへ1ヶ月に1度行くと仮定してどれくらいタイヤ・ホイールの脱着を行うかというと次のようになる。
サーキット1回につき2枠走るという前提にしてみよう。

  • サーキットへ行く前に自宅でブレーキを点検(1回目)
    必要に応じてブレーキパッド交換やフルード交換
  • サーキットの1枠目を走る前に増し締め(2回目)
  • サーキットの2枠目を走る前に増し締め(3回目)
  • サーキットから帰る前に増し締め(4回目)

これだけで実に4回ホイールのナットを締め込んでいる(1ヶ月で4回)。
この生活を1年間続けたら4回×12ヶ月=48回ホイールのナットを締めているわけだ。

コレ以外にもタイヤ・ホイールのセットを交換するとかスタッドレスに履き替えるだとかローテーションするとかで、さらにナットを締め込む回数はうなぎのぼりとなる。
ホイールのナットはそれだけ厳しい状況にさらされているということなのだ。
だから何年か使用したナットは交換するのが良い。
つまりホイールのナットは消耗品なのだ。

それに走っていると緩んで外れてしまうことも時々ある。
管理人TomTomは車載工具箱に予備のナットを積むようにしている。

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ホイールのナットの素材は鉄と軽合金がある

いま装着しているホイールのナットの素材はどのようなものか知っているだろうか?
純正装着のホイールナットは必ず鉄製のものが装着されている。
一方アルミホイールに交換した際にナットを軽合金製(アルミやジュラルミン)のモノに交換した人も多いと思う。

管理人TomTomはタイヤ・ホイールの脱着が多いのであれば鉄製のナットをお勧めする。

なぜかと言うと軽合金製のナットは脱着を繰り返すことで延びてしまう。
また軽合金でできていても腐食があるからだ。

確かに一般に言われるようにバネ下の重量は軽いに越したことはないのだがタイヤ・ホイールの脱着を頻繁に繰り返すうちにナットも劣化してしまう。
その程度が軽合金製のほうが鉄製のナットよりも大きいという理由だからだ。

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ホイールのナットの形状

タイヤ・ホイールを固定するナットには貫通ナットと袋ナットという種類がある。

ホイールのナット形状のイロイロ
dunlop.co.jp より拝借

袋ナット

こちらも文字とおり袋状態になったナットのことだ。
これならボルトとナットの勘合部に雨や泥が直接かかることはない。

貫通ナット

その名の通りボルト穴が貫通したタイプのナットだ。
貫通しているということは雨や泥がボルトとナットの勘合部に容赦なく襲いかかる。
質の悪いナットだと嵌合部のメッキが剥がれてそこから錆びるかもしれない。
ボルトとナットの状態を良い状態でキープしようと思ったら貫通ナットは向いていない。

ベストナットはどれだ?

管理人TomTomは必ず鉄製の袋ナットを使用するようにしている。
理由はこれまで書いてきたとおりだが少々の軽さよりも丈夫さを選択する。
走っている最中の足回りの故障は致命的なダメージに繋がるからだ。
趣味で車を走らせるには安全を最優先にしたい。

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ホイールとナットのこと

ナットとホイールの嵌合部、つまり触れ合う部分には種類がある。
それは次のような種類だ。

  • 球面座
  • テーパー座
  • 平面座ナット

 

ナットのホイール当たり面による種類

dunlop.co.jp より拝借

球面座

ホイールとナットの触れ合う部分がテーパーではなくラウンド形状(丸い)になっているナットだ。
当然ホイール側もラウンドになっておりラウンド同士でテーパーよりもさらに密着する仕組みだ。
このラウンドも締め込むことでホイール穴とナットがセンタリングし複数ナットでホイール全体のセンタリングができる。
国産車、輸入車共にこの形状はある。

下の画像はゴルフ5GTIピレリのホイールを固定するためのボルト、輸入車(主にヨーロッパ車)はナットではなくボルトになっている。
この場合はボルトもホイール側も球面座となっている。

ゴルフ5ピレリのナットとホイールの穴の形状その1

ゴルフ5ピレリのナットとホイールの穴の形状その2

テーパー座

たぶん一番多い方式だろうと思う。
テーパーの角度には種類があり現在では60度のものが多い。
テーパーであることで1つのナットを締め込んでいくとホイール穴とナットがセンタリングする。
これを複数のナットを締め込むことでホイール全体がセンタリングするという仕組みとなっている。

平面座

純正ホイールでハブセンターに対してホイールのボアがキッチリはまるように作られている時に平面座ナットが使用される。
つまりホイールのハブに対するセンタリングはホイールのボア部分で受け持つ。
だからナット側でセンタリングする必要が無いために真っ直ぐな形状なのだ。
ホイールとナットの間でうまく役割分担した形になっている。

ホイールに合わせてナット形状を選択する

ココまで説明したようにナットは装着するホイールに合わせなければならない。
たとえはテーパーになっているホイールにラウンドのナットを組み合わせてはならないということだ。
これを間違えると締め込めないばかりか緩んでしまい危険なので必ず合わせるようにする。

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スタッドボルトとナットのこと

車のハブから生えているスタッドボルトにはサイズがある。
スタッドボルトにはネジピッチ、太さ、長さに種類があって車によって異なる。

スタッドボルトの種類

  • M12×P1.5
    トヨタ・ホンダ・ミツビシ・マツダ・ダイハツ
  • M12×P1.25
    ニッサン・スバル・スズキ
  • M10×P1.5
    ホンダ・ミツビシの軽自動車
  • M10×P1.25
    スズキ・ダイハツ・スバル・マツダの軽自動車
  • M14×P1.5
    ランクル等の大型車

※M12はスタッドボルトのネジ径、P1.5はピッチを表す

もちろんナットはこのサイズに合わせて選択する必要がある。

ナットの選択条件

ここまで説明してきたようにナットを選択するには次のような要素がある。
思ったよりも種類やサイズがあるものだ。

  • ネジ径
  • ピッチ
  • 球面座/テーパー座/平面座
  • 袋ナット/貫通ナット
  • 鉄/軽合金

きちんとその車に適切なナットを選択するようにしよう。

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ホイールのセンター出し

ナットとホイールの嵌合部で出てきたがホイールのセンター出しも非常に重要だ。

下の画像はZC31スイフトスポーツに TAN-EI-SYA のS-05 という鍛造軽量ホイールを装着した時のもの。
真ん中の赤く見えるのがハブリング。
テーパー座や球面座では外品ホイールはナットでセンターを出すのでずれることがある。
そのためにハブとホイールの穴の隙間をアルミのリング(ハブリング)で埋めることでホイールセンターが出る。

ZC31ハブリング装着画像

ホイールセンターが出てなかった経験

管理人TomTomがZC31に鍛造の軽量ホイールをインチダウンして装着したときのことだ。
そのホイールは取り付け穴がテーパー形状となっていてこれにあった鉄製のナットで装着していた。
もちろん走り出す直前にトルクレンチで締め込んで準備をした。
サーキットにコースインしようとピットロードを加速していくとガクンと音がしてホイールがずれてしまった。
ナットの締め込みが悪かったのか、それともセンターが上手くでていなかったのか分からないがずれたのだ。
あわててピットに戻ってホイールのナットを締め直したことがある。
これはきっとナットを締め込む際にセンターが出ておらず走り出すとセンターに収まったのではないかと想像している。
つまりガクンとホイールがハブ上で動いたことによりナットは緩んでしまったわけだ。
もちろん緩んだ状態で走り出すととても危険だ。

キチンとセンターの出るナットの締め方

これはホイールのナットを締め込む際の基本中の基本だ。
ホイールを装着したらできるだけ手で締まるところまでナットを締め込む。
その後は対角線上にナットを締め込んでいくことでテーパーやラウンド形状のナットはホイールのセンターが出る。

さらにハブリングを装着して万全を期す

純正アルミホイールはハブセンターの大きさとホイールのボアの大きさがキッチリ合うように作られている。
つまりホイールをハブに装着するだけでセンターが出るということになっている。
コレに対してサードパーティーのアルミホイールを導入するとセンターボア(穴の大きさ)は大きめに作られている。
大きくすることでどんなメーカーの車にも装着できるようになっているのだ。
ということはセンター出しはテーパーやラウンドのナットが担っているということなのだ。
そこでハブとホイールのセンターボアの隙間を埋めるためのハブリングというモノがある。
ハブリングを装着するとハブとホイールの穴がハブリングを介して密着しホイールのセンターが出るという仕組みだ。
こうした原理なのでハブリングにはサイズがあるので注意したい。
管理人TomTomがS660のアルミホイールに装着したハブリングは67~56mmのサイズだ
車のハブ側が56mmでホイールのセンターボアが67mmとなる。

ハブリングの形状
dunlop.co.jp より拝借

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ハブとホイールの接触面がすごく大事

ココまで説明したので最後にハブとホイールの接触面のことを説明しておきたい。
あまり気を使わないところだが非常に重要な部分なのだ。
というのはココまでホイールを締め込んでセンターを出してキチンと性能を発揮してくれるようにしてきた。
その最後の仕上げがハブとホイールの接触面だ。

この部分はあまり意識しないがキッチリと面で接触する必要がある。
面で接触しているところにナットで締めてセンターを出せば設計上の性能が初めて発揮できるのだ。
この面に何か異物が付いていたりサビが厚く浮いていたりするとホイールがキチンとハブに装着できない。
いくらナットにこだわっても意味がないのだ。
タイヤ・ホイールを外した際にサビや異物をワイヤーブラシで取り去りきれいにしておきたい。

下の画像はZC31スイフトスポーツのハブの接触面の画像。
上はホイールとの接触面にサビが浮いて接触状態は良好ではない。
下は接触面を一所懸命ワイヤブラシを使ってそうじしてきれいにしたところ。
もちろんホイール側の接触面もきれいにしなければならない。
こうすることで面と面で接触して本来の性能が発揮できるというわけだ。

ZC31スイフトスポーツのハブの接触面、きたいない図

ZC31スイフトスポーツのハブの接触面、きれいに掃除した図

ここまでやってホイールがキチンと車に装着できるのだ。
普段あまりそんなことは意識しないと思うが回転する部分だけに車の性能と安全性に大いにかかわる。
安全にスポーツ走行を楽しんで欲しい。

今回はこのへんで
では

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