山岳路で車線を守れない=下手くそドライバー という判断

山岳路を走っていると様々な車に出会う
対向車は一瞬の関わりしかないが、先行車に追いついてしまった時はしばらくお付き合いすることになる。
そんな時、先行車の走行ラインを後ろから見ているとたいへん興味深い。
後ろから見ていると先行車のライン取りによってドライバーのスキルも分かってしまうのだった。
そんな事を書いてみた。

熊野からの帰途で丹生上川神社へ向かう途中にて

管理人の若い頃の車線に関わる体験

管理人TomTomは免許取りたての頃から山岳路が好きだった。
その中でもメインのステージだった六甲山(過去形)では様々な体験をさせてもらった。
そんな体験を少しだけ書いてみよう。

ビックリするほど幅の広い対向車!?

若い頃、ラリーにハマっていた頃の出来事が今でも鮮明に思い出せる。
六甲山の山頂からもっと西のワインディングを夜走っていた時の事だ。

2速の左ブラインドコーナーに差し掛かった。
その時アプローチの段階でなんだか胸騒ぎがしたのだった(こういうことは時々ある)。
いつもより少しだけ慎重にコーナーにアプローチすると前から光の塊がやって来た。
そう、光の塊と表現するのが一番ふさわしいだろう。

その光の塊はやけに幅が広く感じた。
だから左イン側に寄れるだけ寄ってこの幅の広い対向車をかわそうと思った。
そして、もうこれ以上付けないくらいインに寄った。
幸いその場所は側溝がないところでイン側のダートに乗り上げながらもかなりインに寄ることができた。

光の塊とすれ違う際にはかなり緊迫感があった事を思い出す。
すれ違う際にチラッと対向車を見ると、なんとヘッドライトが4つあるではないか。
お気づきかも知れないが対向車はコーナーで追い越しを掛けて並走状態の2台が2ワイドで走って来たのだった。
つまり、すれ違う際には自車も含めて3ワイド状態だったのだ。

この時はたまたま管理人TomTomサイドの車線イン側に余裕があった事でこの幅の広い対向車をかわすことができた。

登っていると上の方からスキール音が迫ってきた

次に印象深いの体験が次のことだった。
ある時、早朝に六甲山に登ろうと麓からアプローチし始めた。
まだそれほど登っていない時、なんだか激しいスキール音が上の方から聞こえてきた。
そのスキール音は「攻めてるなぁ」なんて生易しいものではなくもっともっと激しいものだった。

その場所は上りの直線を少し行くと右コーナーで橋がある。
その橋のコーナーから飛び出してきた対向車は完全にコントロールを失っていて、良く言えば4輪ドリフト、悪く言えば完全にコントロールを失ってスライドしている状態だった。
こちらがすぐにブレーキを踏んでもきっと対向車はそのままアウト側へ膨らんできてぶつかってしまうだろう。
とっさの判断でそう思い、出来るだけ左に寄ってアクセル全開にした。
つまり、この対向車がコーナー出口で膨らみきってしまう前にかわそうと考えたのだった。

この対向車もコントロールを失いながらもこちらの存在には気づいていて、なんとかこちらの車を避けようとしている事が読み取れた。
そうしているうちにどんどんその対向車は近くなってきて、すれ違う際にはこちらが左の側溝ギリギリまで寄っていたにも関わらず数センチというきわどいところでかわしたのだった。
ほっとするのと同時にルームミラーを見るとその対向車は道路外へコースアウトしていった。

九死に一生とはこのことか…

こういう出来事は管理人TomTomの体験では何回かある。
しかしこの2回はその中でも非常に象徴的な出来事だと思っている。
というのは、この時の判断が間違っていると、きっとこうしてブログを書いていないと思うからだ。

ラリーでの教え

ラリー競技に足を踏み入れてからは、より一層センターラインを守ることを先輩から叩き込まれた。
この理由が主に今まで書いてきたような安全にかかわることからではないのが面白い。

ラリーの場合は指示速度に対して差異が少ないほうが良い成績を得られる。
その時に指示速度と自車の速度を合わすことが必要だ。
主催者は指示速度を作る際にコースを実際に走って距離を計測する。
その際にはもちろん公道なのでセンターラインを守っている。
だからエントラントの側も主催者の計測距離と差異が出ないようにセンターラインを守って走らないと指示速度に正確に合わすことができない。

という理由なのだ。

でも公道を完全に借り切って(専有許可を警察から取る)コースを設定する場合にはこの限りではない。

しかし競技とは言え安全面に配慮するということは、最低限のことだし当たり前のことであるのは言うまでもない。

山で車線を守るのは当たり前のこと

ここまで書いたように管理人TomTomの若い頃はかなり冷や汗モノの走り方をしていた。
車線を守らなきゃと思うようになる前は、この点がかなりええ加減だったのを思い出す。
ココで2車線でセンターラインがあるワインディングロードを思い浮かべてみる。

制限の中で速く走るのがすごいこと

センターラインを守らないほど速く走れるのは当たり前だ。
センターラインを守らないことで実質コーナーのRが大きくなる、だからコーナーの通過速度を上げることができる。
そんなことは誰でも分かることだろう。

逆にセンターラインを守れない(守らない)ほどの速度でコーナーへ入ってしまうとどうなるか。
センターライン内のRでは通過できないようになる。
するとコーナー途中でイン側(対向車線)にはみ出るか、出口で膨らむかということになる。
いずれにしても対向車とぶつかるかコースアウトするという危険性がある。

スキーの大回転なんかを思い浮かべるとよく分かる

このことはスキーの大回転競技なんかを思い浮かべるとよく理解できる。
スキー競技はポールを立てて旗門とし、これを通過できたかということがタイム以外の条件となる。
つまりここを走れ(滑れ)という指定があるわけだ(これを制限滑降という)。
車も同じで公道上では自分の車線内という制限があると思えば良いだろう。
もちろん山岳路やワイディングロードは競技ではないので制限速度を守った上で車線を守るということになる。

公道上では安全が最優先

ワインディングで対向車が来ないのであれば迷惑もかけないしセンターラインを守る必要もないだろう。
だが現実には違う。
ぶつけるのも嫌だし、ぶつけられるのも嫌だ。
それなら車線内でラインを想定して走るべきだ。
言うまでもないが安全が最優先であるべきだ。

ライン取りで分かるドライビングスキル

ここまで書いたように管理人TomTomはワイディングのライン取りは大変重要だと思っている。
車線を守らないで速く走れるというのはドライビングスキルがあるということではないしちっとも速くない。
まして安全でもなく危険だと思う。

管理人TomTomの場合、山岳路やワインディングで2車線センターラインがあるところでは自分の車線内でライン取りを組み立てる。
そのためにイン側はかなりシビアに攻める。
こういう時に全幅の小さな車はライン取りの余裕があって走行ラインの設定が楽だ。

お話しを最初に戻そう。
山岳路やワインディングで追いついた先行車のラインを見ているとキチンと車線内でおさめている車は少ないと思う。
ひどい時には対向車線を走ったりする。
そうでなくても自車の全幅の半分くらいは対向車線へはみ出ているのがほとんどだ。

こうした先行車に追いつくと後ろからライン取りを見てそのスキルを判定する。
キチンと車線内におさめている車はまだマシ、はみ出してもこちらのペースで追いついてしまうというのはスキルが足りないということだ。
こうした先行車に追いついてしまうと対向車が来ると危険なので少々車間距離を取るか、広いところで一気に追い抜くかどちらかになる。
後ろから先行車のライン取りを見ていると山岳路やワインディングでのスキルが手に取るように分かる。

こうした先行車でまったく普通の車なのだがキチンと車線を守りライン取りもきれいな車に出会うことがある。
そしてどうしてもついて行けなかった事がある。
その時は凄~いと感服したものだ。

シビアコンディションの山岳路ではもっと違いが出る

今まで説明してきたのは2車線でセンターラインがある山岳路やワインディングロードでのことだ。
さらにもっと狭い1車線の林道のようなところではもっとシビアになる。

以前、安全な山岳路の走り方でも書いたように1車線の林道のような道路では対向車が来るとなんらかのアクションを取ることが必ず必要になる。
それは対向車とぶつからないようにするということなのだが、その内容は様々でケースバイケースだ。
当然減速することもあるし、停止なければならない時もある、さらに大型の車両(バスやトラック)と出くわすとバックしなければならない場合もある。

こうした道路ではアウト-イン-アウトではなくイン-イン-イン、つまりインベタで走る。
夜になると対向車がライトで分かるので、もう少しラインを自由に取ることができるのだが、昼間はブラインドで見えないのでこれが一番安全だ。

さらに道幅が狭いので車両感覚がモロに出る。
端っこへ寄れないドライバーは危険ですらある。
これもこうした林道のような道を走り慣れているかどうかが後ろから見ているとすぐに分かる。

いずれにしてもこうした山岳路やワインディングロードでは安全を最優先に走りたいものだ。
そのためには安全に走れるだけのスキルを身に着けなければならない。
管理人TomTomももっとうまくなりたいと常に思っている。

今回はこのへんで
では