トヨタ「ミライ」の受注は想像以上のペース、水素ステーションは追いつくのか?

トヨタのFCVである「ミライ」のセールスが非常に好調だ。

ミライが足りん~

発売開始の2014年12月15日から1ヶ月間の受注台数は約1,500台とのことだ。この数値は2015年の年末までの販売目標が400台とのことだから想像以上に世間の注目は高いという事だろう。 トヨタ「ミライ」、画像はメーカーサイトより拝借

トヨタ「ミライ」の燃料電池システム図、シンプルに書いてあるがクリアしなければならない技術的なハードルは高い、画像はメーカーサイトより拝借
↑ トヨタ「ミライ」の燃料電池システム図、シンプルに書いてあるがクリアしなければならない技術的なハードルは高い、画像はメーカーサイトより拝借

 

この1,500台の内訳としては官公庁や法人で60%、個人が残り40%を占める。環境に敏感で新しいもの好きな人は注文した人も多いのではないだろうか。
個人でも実質的な負担額は500万円ほどなので買えない金額ではないが高価であることに変わりはない。

水素ステーションも足りん~

日本では2015年度内に約100か所の水素ステーションを展開することを目標としている。
今回の受注の地域的な内訳としては東京都、神奈川県、愛知県、福岡県が中心となっている。これは水素ステーションの設置と密接な関係がある。
考えてみれば当たり前のことFCVを導入したが水素を補給できる施設が無いとFCVを走らせることができない。

補助金が認められて設置が決まった商用水素ステーションの分布、首都圏は当然としてトヨタのお膝元も多い、意外なのは福岡が関西と同数であり力が入っているようなのだ、出典NEDO水素エネルギー白書
↑ 補助金が認められて設置が決まった商用水素ステーションの分布、首都圏は当然としてトヨタのお膝元も多い、意外なのは福岡が関西と同数であり力が入っているようなのだ、出典NEDO水素エネルギー白書

 

上記の補助金が認められた水素ステーションの分布を見てみると福岡ががんばっている印象だ。
一方関西圏は設置予定として同数となっていてあまり関心が高くないようだ。首都圏と中京圏が多いのは当然だろう。
水素ステーションを設置するのに1か所あたり4億円~5億円と見込まれているので、上記の計画だけでも200億円以上のお金が動くことになる。
いずれにしても日本国内において100か所程度の水素ステーションではFCVを走らせるのに十分とは言えず利用者は不便であろう。

水素ステーションの先にあるもの

さらにもう少しマクロ的な視点で見てみると面白い。
エネルギー政策は国家の重要な戦略だ。日本でも経済産業省が音頭を取ってスマートコミュニティーを提唱している。その中で水素を利用したエネルギー確保は重要な部分なのだ。

経済産業省のスマートコミュニティーイメージ、町全体が電気を基本とした動力源で構成されている、その電気を作るのは燃料電池であったり太陽光だったりする、都心部や新たな地域ではこれで良いだろうが地方の現状に当てはめる際にはどうなるのだろうか、画像は経済産業省サイトより拝借
↑ 経済産業省のスマートコミュニティーイメージ、町全体が電気を基本とした動力源で構成されている、その電気を作るのは燃料電池であったり太陽光だったりする、都心部や新たな地域ではこれで良いだろうが地方の現状に当てはめる際にはどうなるのだろうか、画像は経済産業省サイトより拝借

 

こうした日本のエネルギー政策に直結するFCVの販売と水素ステーションの整備となっている。
その先には近未来的なクリーンなエネルギー確保と活用を行うことができる都市や町が作られようとしているのだ。
先の長いお話だが今から真剣に考えないといけないと思うのだ。
トヨタ「ミライ」の受注台数にはこんな期待と夢が込められているのかもしれない。

今回はこのへんで
では