スバル新型アウトバックのヨーロッパ進出、お土産はボクサーディーゼルか?

スバルの新型アウトバックは北米を皮切りに日本でも発売開始されている。
この2015年3月3日から開催されるジュネーブショーではアウトバックと日本専用モデルと言っていたレヴォーグがヨーロッパにてお披露目となる。

スバルのジュネーブショー2015に関するプレスリリース

アウトバックはドル箱なのだ

北米でのスバルはレガシーのワゴンが販売中止になってしまったほどアウトバック一辺倒のマーケティング策を取る。
以前アメリカでのピックアップトラックについて記事を書いたが、アメリカ人はトラックとダートが大好きなのだ。ダートというよりもライフスタイル的なアウトドアという感じだろうか。
それにピッタリくるのがスバルのアウトバックという事なのだ。こういったアウトドア風味+α+適度なサイズの車は北米マーケットで非常に相性が良いみたいだ。
UKスバルサイトの新型アウトバックのイメージ画像
↑ UKスバルサイトの新型アウトバックのイメージ画像、北米とは異なり砂漠のような感じではないがこうした緑の原野でのアウトドアで使われる想定のようだ、こうした場所を走るのならアウトバックのような少し車高を上げたクロスオーバーが必要だ、画像はメーカーサイトより拝借

北米で人気のアウトバックがヨーロッパへ行く

そのアウトバックがヨーロッパへ進出なのだ、これは自然な事だろう。アメリカと同様ヨーロッパでもアウトドア風味は非常に受けが良い、というよりこれは世界的なトレンドだ。
しかし北米とヨーロッパでは決定的に異なる事がある。それは燃料事情でありヨーロッパではやはりディーゼルが主流とならなければならない。
アメリカではここのところのシェールガスの影響や原油安もありガソリン価格がディーゼル燃料よりも安いのに拍車がかかっている。従って北米ではディーゼルの必要性もないしディーゼル車は売れない。北米では新型アウトバックは2.5Lと3.6Lの2種のガソリンエンジンを展開する(日本では2.5Lのみだ)。
これがヨーロッパへ行くと事情が異なる。北米の事情と異なりディーゼルが主流となるのだ。だから日本国内でラインアップの無いディーゼル車を投入する自動車メーカーも数多い。
この事はスバルのディーゼル戦略ということで以前書いているので参考にされたい。スバルではヨーロッパで発売するほとんどすべての車種にボクサーディーゼルを設定しているのだ。

UKのスバルサイトではアウトバックがCommingSoonとなっている
↑ すでにUKのスバルサイトでは新型アウトバックはComingSoonとなっているのでそう遠くない時期に発売を開始するだろう、ひょっとしたらジュネーブショー開幕と同時に発売開始するのではなかろうか、画像はメーカーサイトより拝借 

ボクサーディーゼルが魅力的、日本にも欲しい

ヨーロッパでセールスを伸ばすにはディーゼルエンジンは不可欠だ。最近では日本でもディーゼルの良い部分が見直されていてマツダがディーゼルのイメージを一新してくれた。
スバルはスバルらしくボクサーディーゼルと銘打って水平対向のディーゼルエンジンを随分前からヨーロッパに投入している。このボクサーディーゼルのスペックはなかなか魅力的に映る。

新型アウトバックのボクサーディーゼルエンジンスペック

最大出力:150PS/3,600rpm
最大トルク:35.7kgfm/1,600-2,800rpm
燃費:16.4km/L(CVT)、17.9km/L(6MT)

最大出力は平凡だがトルクが非常に大きいのが特徴で燃費も良い。
ボクサーディーゼルの構造図
スバルボクサーディーゼルのエンジン曲線
↑ これが噂のボクサーディーゼルだ、スバルのアイデンティティーの水平対向+ディーゼルの組み合わせとなっている、エンジン特性を見てみると2000回転以下はトルクが細い、いずれにしてもディーゼルらしい特性を持っていてガソリンのようには回らない、画像はメーカーサイトより拝借

このエンジンは日本でもアウトバック等に積むと売れるに違いない。それにボクサーディーゼルという言葉の響きが非常に良い。 

やっぱりレヴォーグは日本専用モデルではなかったのだ

レヴォーグがデビューした時にレガシーが大きくなり過ぎたので小さくして日本専用に作りましたとアナウンスがあった。
しかしレヴォーグの成り立ちを見てみると、どうもそうとは思えないフシがあると以前書いた(2014年1月27日の記事だ)。やはりこれは当たっていてレヴォーグは世界戦略車なのだ。北米ではサイズが小さくて競争力が無いのだがヨーロッパへ持っていくとちょうど良い大きさのワゴンとなるのだ。
もちろんこれにもボクサーディーゼルが組み合わされてヨーロッパでのボリュームゾーンを狙う非常に重要なモデルとなるのだ。これは以前の予想通りだ。
それにヨーロッパの人が好む走行性能についても、先行する日本で高い評価にある。基本的にはこれで行けるということでヨーロッパ向けの味付けがなされて発売されることになるだろう。
このクラスには強力なライバルが数多く存在し厳しいマーケットには違いないのだが善戦するのではないだろうか。

スバルにはCVTではなくてDCTか出来の良いATが欲しいところ

CVTを否定するわけではないがDCTが欲しいと思うのだ。やはり人間の感性にはCVTよりもDCTのドライビング感覚のほうが気持ち良く分かり易い。
日本のメーカーはDCTの採用に消極的だがこれは大人の事情があるに違いない。例えば特許問題とかでクリアしなければならない問題があるのだろう。
最近ではトルコン型ATの進歩も著しく、早い段階でロックアップを行いシフトダウンではブリッピングもする。トルコン特有のスリップ感は皆無になってきているのだ。こうしたドライビングしていて気持ちの良いトランスミッションを組み合わせるべきだ。
86/BRZでは気持ちの良いATがあるのだからできない事は無いだろうと思う。

今回はこのへんで
では