「メルセデスベンツ190E 2.5-16 エボリューションII」という車

知人でメルセデスが大好きな人がいる。自らもAMG C36を所有し19年目の今もメンテを続けて乗っていてこの車にぞっこんである。
その人が気になるメルセデスは何かと言えば中古車としてしか手に入れられないが190E「2.5-16 エボリューションII」なのだそうだ。どのような車なのだろうか。

大衆化を選択した190E

メルセデスの190Eと言えばW201の形式で呼ばれ日本では1985年に販売が開始されている。
当時小ベンツと言って揶揄されていたものだが、一般人にメルセデスが買えるモデルとして大きな役割を果たしたと思う。
サイズが日本の街中で使用するのにちょうど良いサイズだったことや排気量が2.0Lで当時の5ナンバー枠にうまくマッチしたこともありヒットした。
メルセデス190E
↑ メルセデス190E、発売当時(日本では1985年)非常にコンパクトなメルセデスの先駆けとなったモデル、端正な外観で飽きのこないデザインだ、この時代のメルセデスは品質が非常に良くリフレッシュすれば現代でも十分通用する、画像はネット上から拝借

多くのバリエーションがあった190E

この190Eは多くのバリエーションを持っていたことでも興味深いモデルだ。日本に導入されたモデルだけでも次の様なバリエーションがあった。

通常モデル

  • 190E:もっともベーシックな直列4気筒2.0Lガソリンエンジン115ps/5,100rpm
  • 190E 2.3:直列4気筒2.3Lガソリンエンジン135ps/5,100rpm
  • 190E 2.3-16:直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン、コスワースヘッド、DTM用のホモロゲーションモデル175ps/5,800rpm
  • 190E 2.5-16:直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン、コスワースヘッド、DTM用の新ホモロゲーションモデル200ps/6,750rpm
  • 190E 2.6:直列6気筒SOHCガソリンエンジン165ps/5,800rpm
  • 190D 2.5:直列5気筒SOHCディーゼルエンジン90ps/4,600rpm
  • 190D 2.5ターボ:直列5気筒SOHCディーゼルターボエンジン125ps/4,600rpm

AMGモデル

  • AMG 190E 2.0:直列4気筒SOHCエンジン141ps/5,750rpm
  • AMG 190E 3.2:直列6気筒SOHCエンジン234ps/5,750rpm

エボリューションモデル

  • 190E2.5-16エボリューション1:直列4気筒DOHCエンジン231ps/7,200rpm、5MT
  • 190E2.5-16エボリューション2:直列4気筒DOHCエンジン235ps/7,200rpm、5MT

メルセデス190E2.5-16エボリューション1のサイド画像
↑ メルセデス190E2.5-16エボリューション1のサイド画像、少し車高が下がっていて低く構えた姿勢が印象的で只者ではない雰囲気を醸し出す、比較的小型のウィングが付いているがオーバーフェンダーは無い、まだ傍目を気にせず普通に乗れるエボリューションだ、日本には正規車として3台だけ入ってきた、画像はネット上から拝借

メルセデス190E2.5-16エボリューション2のフロント画像
↑ メルセデス190E2.5-16エボリューション2のフロント画像、一目で前後の空力付加物が大型化しているのが分かる一言で言うとエグい外観だ、フェンダーにはオーバーフェンダーが付き美しくないが迫力がある、当時としては最先端の17インチのタイヤホイールを履く、画像はネット上から拝借

日本でのバブル期の190E

80年代の終わり頃から90年代の初頭まで日本ではバブルに浮かれた時期だった。
この時期は小ベンツと呼ばれた190Eが巷に溢れた時期でもあるが、密かに若手には190E 2.3-16や190E 2.5-16が流行っていたフシがある。身の回りでも人たちで何人かがこの車に乗っていたものだ。
16バルブモデルでも通常の190Eとは異なる特別なオーラが出ていて憧れたものだ。
メルセデス190E2.5-16エボリューション2のエンジン画像
↑ メルセデス190E2.5-16エボリューション2のエンジン画像、16バルブヘッドはコスワースのチューニングであった、このヘッドカバーが特別な存在であることを主張する、当時このヘッドカバーに憧れたものだ、この画像では見えないがエンジンの左側にあるエキゾーストマニーホールドが太くて美しい形状で高性能を主張していた、画像はネット上から拝借

メルセデス190E2.5-16エボリューション2のインパネ画像
↑ メルセデス190E2.5-16エボリューション2のインパネ画像、ステアリングホイールも通常と同じで一見通常の190Eと変わらないようなインパネ、しかし良く見るとスピードメーターやセンター部の3連メーターが異なるのが分かる、マニュアルトランスミッションがメルセデスには意外な組み合わせ、メルセデスではこの車(1990年)以降MTは途絶えていたのだがなんと2013年のSLK200で23年ぶりに復活している、画像はネット上から拝借

190Eエボリューションモデルを味わえる最後かも

エボリューションモデルは2種存在しエンジンのチューニングが異なる。スペックを見てみてもリッターあたり100psに近いかなりのチューニングがされている。
またエボリューション2は1をより過激にした内容となっており外装パーツが異なる。世界で各モデル限定500台の希少な車である。この車を中古車として手に入れて徹底的にパーツを交換してリフレッシュ、そしてエボリューションを味わう。こうしたリフレッシュができるのはまだパーツが揃っている今が最後かもしれない。
この時期のメルセデスは現代の車には無い素晴らしい品質でリフレッシュさえすれば今でも十分通用するものだ。時代を超えて通用するこういった車が少なくなってきている。
メルセデス190E2.5-16エボリューション2のシフトノブ画像
↑ メルセデス190E2.5-16エボリューション2のシフトノブ画像、エボリューション2に搭載されたのはゲトラグの5MTで1速が左下のレーシングパターンとなっている、シフトノブには○○/500とシリアル番号が入る凝ったもの、内装はエボリューションモデルだが高級車らしく本革シートとウッドパネルとなっている、画像はネット上から拝借

今回はこのへんで
では