前回、前々回に続いて工具のお話しである。
前回はセット工具に足りない工具、足しておいた方が良い工具と出かける際の遠征用の工具を紹介した。
今回は車弄りの中でもホイールを外す作業を行う時に必要な工具を紹介しよう。
具体的にはタイヤホイールのローテーションや交換、ブレーキ周りの点検、ブレーキパッド交換、ブレーキエア抜きや足回りの点検時に必要になる工具類だ。
ホイールを外すという事はジャッキアップするという事
ホイールを外してしまうという事は当然のことながら車をジャッキアップしなければならない。
ジャッキアップしてからホイールを外すわけだ。
ココではガレージジャッキで車をリジットラック(通称ウマ)に上げた状態での作業を想定することにする。
ジャッキアップする際の注意点としてはできるだけ水平で平たんな場所で行う事、車には輪止めをかまして不意に動かないようにしておくことが重要だ。
そのために管理人が使用している工具は次のようなものだ、画像を見てほしい。
↑ 車弄りでもホイールを外す際に必要となる工具類、画面の上からグレーのモノがガレージジャッキ2tローダウン車用、ガレージジャッキの車を支える部分は通常鉄のむき出しの皿のようなモノなので車にキズを付けないためにもゴム製のアダプターを合わせて使用する、サイドシルへガレージジャッキを掛ける際には必須、その右下の黄色いのがリジットラック(通称ウマ)でこの上に車を乗せる4本必要だ、リジットラックも車を支える面が通常鉄のむき出しなのでゴムのアダプターを利用する(管理人はガムテープを巻いて代用しているがカッコ悪い)、中央が十字レンチ(クロスレンチとも言う)でホイールを取り付けているスタッドボルトを外すのと取付ける際の仮締めにも使用する、赤いケースの長細いのがスタッドボルトを本締めするためのトルクレンチ、手前の赤いケースがトルクレンチと組み合わせ使用するスタッドボルト用のソケット(17mm/19mm/21mm)
ガレージジャッキは大きいほどよいが
ガレージジャッキは経験上、大型のモノが使いやすいが個人のガレージでは大きさに限界がある。
できれば車両前後の中央部から突っ込んでジャッキポイントに掛け、左右の車輪を同時に持ち上げられると手間が省ける。
管理人のように小さなモノだとガレージジャッキの長さが足りずに前後方向から突っ込めてもジャッキ棒の操作ができない。
だから前後方向からジャッキアップ出来ず、NASCARのように車の左右方向から片側づつ上げて行くしかない。
こういった事情から画像のような管理人の持っている小さなガレージジャッキだと車載ジャッキのようにサイドシル部の前後のジャッキポイントに掛けて使う方法となる。
それでも車載ジャッキよりは安定しており作業が早いし安全だ。
またガレージジャッキの代わりにシザースジャッキ(パンタグラフ式だが油圧式)もアリだと思う。
ちなみにシザースジャッキはラリーの世界では車載ジャッキとして必須なのだ。
実戦中にパンクしたような時に素早く操作する事が出来るので1分1秒を争う際に真価を発揮するし楽なのだ。
こうした理由からガレージジャッキは事情が許す限り大型のモノをお勧めする。
ジャッキ自体の耐荷重があるので作業対象の車により適正なジャッキを選択する必要がある。
またガレージジャッキの車を支える部分は通常鉄のむき出しの皿のようなモノなので車にキズを付けないためにもゴム製のアダプターを合わせて使用する。
リジットラック(通称ウマ)をウマく使う
リジットラックは高さ調整が付いていれば作業自体にはそれほど影響は無い。
しかしリジットラックを掛ける際に1台の車でも水平にするために前後で異なる高さに調整する場合もある。
その時に素早く高さ調整ができればベストだ。
リジットラックも車を支える面が通常鉄のむき出しなのでゴムのアダプターを利用する(管理人はガムテープを巻いて代用)。
リジットラックにもジャッキ自体の耐荷重があるので作業対象の車により適正なリジットラックを選択する必要がある。
十字レンチ(クロスレンチ)でクリクリっと
タイヤホイールを外すのなら十字レンチは必須の工具だ。
スタッドボルトを緩めるのにも締めるのにも使用する。
トルクレンチが無い時にはこれでスタッドボルトを締めこむようにする。
車載工具のスタッドボルトを回す工具は片方にしか持ち手が無いために均等なトルクを掛ける事が出来ない。
そのために足で踏んづけてボルトを緩めるようなことを良く行うと思うが、これはボルトにとっては非常にリスキーな状態となるので要注意だ。
へたをするとスタッドボルトが曲がってしまうかもしれない。
十字レンチがあるとスタッドボルトの外す際、それに仮止めをする際に作業効率が格段に向上する、クリクリ~と回せるのだ。
タイヤホイールを付け外しする際の一番基本的な工具だ。
非常に大きなトルクが掛かる個所なのでこの工具はケチってはいけない。
十字レンチ使用時にスタッドボルトにレンチを差し込めないホイールがある。
ホイールとボルトの間隔が非常に狭いのだ。
その時には十字レンチに装着して使用する薄手のソケットがあるので、ホイールによっては十字レンチ調達時に同時に手に入れておきたい(サイズがあるので注意)。
また十字レンチ自体が薄手になっているモノもある。
ホイール用トルクレンチでカチっと
トルクレンチは一昔前までは高価で手が出なかった。
だがコストダウンが進み素人でも購入できるような価格となった。
プロが使用するトルクが厳格に測定できるモノではないが勘に頼るよりは大いに良い。
スタッドボルトの太さやピッチにより適正トルクがあるのでダイヤルを調整して使用する。
自分の車に合ったトルクを知っておく必要がある。
使用後は調整ダイヤルを緩めて保管するようにする。
またトルクレンチはスタッドボルトを締めこむ際にのみ使用し、緩める方向では使用してはならない。
緩めるのはトルクレンチでは行わず、十字レンチやスピンナーハンドルで行う。
トルクレンチ用ソケット
車のスタッドボルトのサイズはいくつかある。
トルクレンチ用ソケットは17mm/19mm/21mmの3種類を持っているとほとんどの乗用車には対応可能だ。
また下のソケット画像で白くなっている部分はホイールへの傷つき防止用のプラスティックのカバー。
ホイールによってはソケットを差し込むスペースが非常に狭いというかきついホイールがあり、その際には薄手のソケットを使用する。
このソケットのセットでは白いプラスティックの部分を取り去ると薄手のソケットに変身できるのでこうしたホイールにも対応可能だ。
トルクレンチを導入した際には組み合わせ必須の工具だ。
楽ちんにボルトをゆるめる
スタッドボルトを緩める際にはかなり力を要することが多い。
十字レンチではトルクが不足して手が痛かったり、腰を痛めてしまうこともある。
こんな時に大活躍なのが、スピンナーハンドルだ。
これを導入したおかげで腰を痛めることがなくなった。
タイヤにはエアーが必要なのでシュ~
ここまでで車をジャッキアップし、タイヤホイールを脱着する作業に関する工具を紹介した。
ここからはタイヤに関しての工具となる。
↑ タイヤの空気圧の調整に用いる工具と言うか道具、シガーライターから電源を取るタイプのエアコンプレッサーは便利なので1台持っておくと良いだろう、子供用のビニールプールを膨らます際にも使用できる、エアゲージは必ずマイエアゲージを持つようにしたい、車に積んでおけばどこでタイヤに空気を入れようとも同じエアゲージで調整できるので常に同じ状態にできる、特にモータースポーツでは重要なので精度の高いモノを使用する事をお勧めする
タイヤに空気を入れまシュ~
タイヤにはご存じの通り空気が詰まっている、その圧力は乗用車で200kpa前後だ。
最近の省燃費タイヤを履いた車の指定は240kpaとか高い値を要求するモノもある。
そうしたタイヤに空気を充填する際に便利なのが電動のコンプレッサーだ。
シガーライターより電源を取るタイプのモノは車に積んでいけば現地で空気調整が可能なのでサーキット等を走る機会の多い人は用意しておいても損は無い。
こうした電動のコンプレッサーが無ければ自転車の空気入れでも十分対応できる。
気を付けなければならないのは口金つまりバルブの種類だ。
乗用車のタイヤのバルブは、ほぼ米式バルブ(シュレーダーとも言う)となっているので自転車用の空気入れでも対応しておれば使用できる。
その場合スポーツバイク(自転車)用ではなく通常のママチャリ用の補助タンクの付いたタイプが使いやすい。
管理人も電動のコンプレッサーを買うまでは何年も自転車用の空気入れをトレーニングを兼ねて利用していた(笑)。
それに今でも夜間などでは自転車用の空気入れを使用している。
空気圧を適正に調整しまシュ~
タイヤに空気を充填したら適正な圧力に調整しなければならない。
良くガソリンスタンドに設置してある空気入れで空気を充填し、そのメーターでも空気の圧力は概ね分かる。
だが空気を充填してその空気圧を計測するエアゲージが毎回異なるのはよろしくない。
ここはマイエアゲージを用意すべきだ。
そうするといつも同じエアゲージで測定できるので微妙な空気圧の違いが分かるようになるし、どこで空気を入れても同じ空気圧に調整できる。
特にモータースポーツに参加するのであればタイヤの空気圧は非常に重要な事なのでマイエアゲージは必須だ。
ほんの少しの空気圧の違いで車の挙動が全く異なるからだ。
これを身を持って経験すると空気圧調整の重要性が理解できると思う。
次回はブレーキ周りを弄る際の工具を紹介しようと思う
ブレーキ周りは専用の工具が多く必要になる。
ブレーキパッドを自分で交換する際にはこれらの工具が必要になる。
使い方も構造を理解するまで少々難しいというか訳が分からない事が多い。
特にリアのディスクブレーキなんかは管理人も不思議に思ったものだ。
でも構造を理解するとこれらの工具もどう使うのか理解できる。
今回はこのへんで
では