ブレーキングは直進で完了せんとあかんと思ってる?、オッサン的感覚

    2017/01/07

今回はブレーキングについて書いてみようと思う。

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まずはタイヤの事から、摩擦円って知ってる?

ブレーキングのお話に入る前にタイヤの事を書かねばなるまい。
ブレーキはタイヤホイールの回転を止めるのだが最終的に路面と接しているタイヤを介しているという事を忘れてはならない。
タイヤと路面は摩擦力によりグリップしている。
この摩擦力が崩れた状態がスリップしている状況だ。

例えばドリフトしている車の後輪は激しくタイヤスモークを出して回転し斜め横に進んでいる。
この状態がグリップを失っている状態だ。
タイヤのグリップ力は縦方向(進行方向とその逆)と横方向(右と左)に対して存在する。

それは摩擦円という理論で説明できる。
つまりタイヤには路面に対して縦方向と横方向の摩擦が存在し、その合計の仕事量は決まっているのである。
つまりタイヤのグリップ状態の一つとして縦と横のミックスされた状態が存在する。
これを頭に入れておくと分かりやすい。

摩擦円の一例、上下が車で言う前後方向、左右が車の横方向となる、このサークルの中がタイヤのグリップできる範囲となる、画像はネット上から拝借

摩擦円の一例、上下が車で言う前後方向、左右が車の横方向となる、このサークルの中がタイヤのグリップできる範囲となる、画像はネット上から拝借

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ブレーキングは直線でと習った?

若い頃に誰に教えてもらったか思い出せないが「ブレーキングは直線で完了してしまいなさい」ということを実践してきた。
基本としては間違ってはいないのだが実態はそうでもないのだ。

ある日、山でドライビングの練習をしているとコーナーに突っ込み過ぎてブレーキングが間に合わないという事態に陥った。
この結果どうなったかというと、コーナーに入ったにも関わらずまだブレーキングを完了していない状態に意図せず陥ってしまったのだ。
なんとかこの局面は車が曲がってくれたので事なきを得たが肝を冷やした。
当時自分的にはこの状態(コーナーに入ってもブレーキを掛け続けている状態)はドライビングとして不完全な状態であって非常事態だと認識していた。

コーナリング中のタイヤに働く力関係を図にしたもの、スリップ角が付いているとこがミソ、画像はネット上から拝借

コーナリング中のタイヤに働く力関係を図にしたもの、スリップ角が付いているとこがミソ、画像はネット上から拝借

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ブレーキングと荷重移動

ブレーキングの意味として、1つ目は速度を落とすという事なのは間違いない。
2つ目は荷重移動を行うということなのだ。
この荷重移動は大変重要な事なのでぜひとも覚えてほしい。

ブレーキングを行うと車は前寄りの重心へと変化する、具体的には車の前輪により多くの荷重が掛かった状態になる。
タイヤは路面との摩擦でグリップしているので、より荷重が掛かった状態のほうが摩擦力もより強力に発生させることができる。
コーナーを曲がるための横方向の摩擦力をタイヤに最大限に発揮してもらうために前輪に荷重を掛けるのだ。

ここで良く考えてみてほしい、直線でブレーキングを完了してしまうとブレーキペダルから足を離す。
すると前輪にかかった荷重が抜けてタイヤのグリップ力を有効に使うことができなくなるのだ。
若い頃にこの矛盾に大変悩んだ。どうすれば前輪に掛かった荷重を抜かずにコーナーに入ることができるのかと。
この回答の一つがブレーキを完全に抜かずにコーナーへ入る、すなわちブレーキングを掛けたままステアリングを切り始めるという事なのだ。

ブレーキング時の車の荷重移動の図、コーナーに入る際に前荷重とすることで前輪の摩擦を有効に使うことができる、画像はネット上から拝借

ブレーキング時の車の荷重移動の図、コーナーに入る際に前荷重とすることで前輪の摩擦を有効に使うことができる、画像はネット上から拝借

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ブレーキは本当はリリースが難しいのだ

ゲームのようにブレーキは踏んだり離したりという1か0のデジタルな操作ではない。
個人的にはブレーキペダルを踏む際よりも離す際のほうが重要だと考えている。

前述の通りコーナリング初期段階においてタイヤの摩擦力を最大限に発揮してもらうためブレーキによって荷重を掛けた。
この時にはタイヤのグリップ力はブレーキングで100%使用してしまっている余裕のない状態だ。
その状態からブレーキを抜きながらステアリングを切り始めるのだ。
するとブレーキを抜いた分(縦方向の摩擦力)だけ横方向の摩擦力の余裕ができる。
このブレーキを抜く際にどれだけスムーズに操作できるかで荷重移動のスムーズさが決まる。
あまりにも急激にブレーキペダルを離して(リリース)してしまうと荷重が抜けて元の木阿弥なのだ。
スムーズにブレーキを抜きながらステアリングを切り込むことで横方向の摩擦力の余裕分をコーナリングに使うのだ。

具体的にはどこかの雑誌で見た表現だが、非常に的確な表現だと思うので紹介しよう。
ステアリングとブレーキペダルが糸で繋がっていてステアリングを切り込むと糸で繋がったブレーキペダルは引っ張られてブレーキを離し始めるという感じなのだ。
ここで注意してほしいのはフルブレーキングの途中というのは100%ブレーキング(縦方向)に摩擦力を使い切っている状態だ。
この状態でステアリングを切ってはいけない、というかタイヤは縦方向に摩擦力を使い切っているのでステアリングを切り込んでも横方向の摩擦力を発揮することができない。
この時具体的に車の挙動がどうなるかというとステアリングは切っているのに車はまっすぐ行こうとするいわゆるアンダーステアの状態になる。
こうなるとブレーキングも不完全で制動距離が伸びているし曲がらないので悪くすればコースアウトする。
タイヤのグリップ限界を超えるような操作は禁物である。
これは自分自身何度もコースアウトした経験からやってはいけない事なのだ。

タイヤに荷重が掛かった際の断面図、良く荷重移動をさせてタイヤを潰すという表現を使うが文字通りタイヤが潰れるのだ、画像はネット上から拝借

タイヤに荷重が掛かった際の断面図、良く荷重移動をさせてタイヤを潰すという表現を使うが文字通りタイヤが潰れるのだ、画像はネット上から拝借

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ブレーキペダルにもストロークがある

ブレーキペダルはアクセルペダルと異なりストロークがほとんど無いように思える。
アクセスペダルは10cmくらいストロークするかもしれないが、正常なブレーキペダルは体感的には1cmか2cmくらいしかストロークしない。
しかし上記で説明したようにブレーキペダルは少ないストロークの中で微妙な操作をしなければならないのだ。
それも同じ右足1本でストロークの異なるペダルを操作しなければならないのは少し人間(オッサンにも)にとってキツイ作業なのかもしれない。
こうした細かな事を感じられるように体を鍛えないといけないのだ。

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直線でブレーキングは終わらせないでよろしい

説明してきたようにブレーキを抜きながらコーナーへ入っていくのが一番良い。
さらに上級者となるとコーナーの途中でブレーキを掛けたり自由自在なのだ。
ここは凡人とは異なるタイヤのグリップ限界を感じ取れる感性が必要となる。

またラリーでは良く使われる左足ブレーキングというようなテクニックもある。
特に4WDのラリーマシンではコーナリング途中にアクセルは全開だが左足によるブレーキングで車の旋回半径を調節することも普通にやる。
このためには体が固定されている必要がありフルバケットシートが必須なのだ。
だって体を支えることができないから。

ブレーキングは車をドライビングする上で本当に基本的な操作だが、それだけに一番奥が深いと思うのだ。
ドライビング理論はポール・フレールさんの「新ハイスピード・ドライビング」という本がお勧めだ。
一度読んでみるのが良いと思う。

 

今回はこのへんで
では

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