管理人はツーリングが大好きだ。
毎回弾丸ツアーと銘打って日帰り500km程度のツーリングに出かけることが多い。
今回の目的は個人的に一区切りついたので熊野詣をすることとのんびりと海を見ることだ。
この時期のツーリングは管理人の大好きな山岳ツーリングは雪があるので場所を選ばねばならない。
そこで今回は熊野詣と雪のない紀伊半島の西側海沿いを走ることにした。
今回のツーリングの計画
いつも管理人TomTomがツーリングを企画するときルートと立ち寄り先はおおよそ決める。
だがココでご飯を食べるとかということはそれほど周到に計画を立てるわけではない。
いきあたりばったりの弾丸ツアー
そのほうが意外な出会いや発見があって面白いしネット上だけの情報ではなくて現地を見てみたいという考えもある。
最低限ツーリングに必要な情報収集はネットで行いおおよそのルートを決めるだけなのだ。
だから考えていた事と実際が異なる場合は良くあるし途中で気が変わってしまうことも良くある。
でもそれはそれで面白い。
今回の目的その1
熊野本宮大社を管理人TomTomは大好きだ。
大好きという表現は失礼かもしれないが一番心が休まるという感覚なのだ。
だから事あるたびに頻繁に参拝させて頂くことにしている。
距離的にも管理人TomTomの住む兵庫県の東の端っこからは往復で400km~500km程度で十分日帰りが可能だ。
今回は仕事が一段落したのでその感謝と報告のために参拝したかった。
さらに熊野本宮大社の熊野講という崇敬者の講があるのでこれに申し込みさせていただくためだ。
今回の目的その2
もう何年も何回も熊野に通っているのにつぼ湯に入ったことがないのでぜひ入りたいと思った。
つぼ湯というのは熊野本宮大社近くの湯の峰温泉にある公衆浴場のことだ。
湯の峰温泉自体は世界遺産に登録されていて小栗判官のお話しで有名だから知っている人も多いと思う。
実はつぼ湯には何回か入ろうとしたことがあるのだがその度に機会を逸しているのだった。
2011年の台風12号による紀伊半島大水害の際にはまさにその当日に湯の峰温泉へ行こうとしていた。
しかしあまりに台風が直撃し半端ない量の雨が降っているのを知り断念したのだった。
もし管理人TomTomがその時に紀伊半島へ出かけていたら水害に巻き込まれていたかもしれない。
その後もつぼ湯には足を運んだのだが、たまたま工事中(調査不足だ)で入れなかった。
その時は仕方がないのでつぼ湯ではなく一般の公衆浴場へ入らせていただいた。
今回はつぼ湯に入ってみたかったのだ。
今回の目的その3
紀伊半島は比較的温暖な地域だが中央部には1900M級の山々が連なる非常に険しい地域なのだ。
だからこの時期は場所を選ぶ必要がある。
大昔、管理人TomTomは3月の終わり頃に紀伊半島中央部の林道に入り込み過ぎて路面が雪と凍結でえらいことになった経験がある。
この時はクロカン4WDだったが下りでグリップが確保できず最後はチェーンを巻いて事なきを得たが一つ間違っていたらすぐ横の渓流に落っこちてたかもしれない(それほどヒヤヒヤだったのだ)。
こうした紀伊半島での雪との遭遇と失敗は数々ある。
ということで今回は雪のない沿岸部を走ってみようと考えたのだった。
紀伊半島の東側沿岸部はここ何回か走っているので久しぶりに西側を走り頃合いを見て高速道路で帰るということにした。
熊野本宮大社までは少しだけ新しいルート
熊野大社へ大阪方面から一番早く行けるのは国道168号を通るルートだ。
五條市からの168号線へ入る前まではいくつかバリエーションがある。
今回は南阪奈道路を走ってみた
いつもは西名阪道を少しだけ走って柏原ICで降りて国道165号で奈良盆地へ入る。
今回はもう少し南下して南阪奈道路から奈良盆地へ入ることにした。
というのは奈良盆地へ入ってからの渋滞を回避するためだ。
南阪奈道路を降りてからはいつものように金剛山を右手に見ながら五條市へ向かい、そこからはひたすら国道168号を走る。
国道168号に雪があれば五條市から和歌山市へ抜けて海沿いを南下するつもりだった。
国道168号の道路状況が気になったが雪の警告表示は特に無かったのでそのまま進むことにした。
大塔町あたりでは道路の横に雪があった
さすがに朝のうちは気温が低く奈良に入ってからほぼ0℃、国道168号で山に入ってくるとマイナスになった。
外気温計と標高をにらめっこしながら走っていると-2℃になった。
さすがにコレくらいの気温だと路肩に雪が残っている、路面はドライなので問題ないが橋上は凍結に要注意だ。
さらに今回ビビったのはトンネルの中だった。
トンネル内の外気温は-3℃になっており路面がキラキラと光っていたのでこうした所も凍結に要注意だろう。
下は国道168号の大塔町あたり、時刻は08:28、気温は-2℃、水温は90℃、標高は610メートル、路肩には残雪がたっぷりある。
外気温度計と標高表示は山岳ツーリングには必須アイテム
こうしたツーリングでは外気温計は必須だ、ある程度道路状況が予測できるからだ。
最近の車はほとんど外気温度計が付けられているので改めて装着する事はないだろう。
さらに峠というのは天候により道路状況が変わりやすい。
コレを知るためには標高を表示するアイテムが必要だ。
管理人TomTomの場合はレーダー探知機に水温と標高を表示させている。
これで峠の頂上であることや走っている場所の標高が分かるためにシビアコンディションの場合は必須なのだ。
十津川村で谷瀬の吊り橋に挑み管理人さんに貴重なお話しを聞く
谷瀬の吊り橋は昔から全国的に有名な吊橋だ。
川向うの村とこちらの村をつなぐ生活用の吊橋でもありバイクでじいちゃんやばあちゃんが渡ったりしていてビックリしたものだ。
下の画像は谷瀬の吊り橋の遠景、この谷瀬の吊り橋は川向うとこちらをつなぐ生活道路なのだ。
管理人は阪神大震災後に吊橋を渡れなくなった
実は管理人TomTomは阪神大震災の後に谷瀬の吊橋を渡れなくなった。
若い頃は本当に平気だったのだが年を食ったからか?それとも阪神大震災の体験によってなのか?不明だが谷瀬の吊橋が怖くて渡れない。
左右に揺れる吊橋が怖い。
それを確かめたくて今回は谷瀬の吊橋にチャレンジしてみた。
S660を駐車場に止めてさっそく谷瀬の吊り橋へ行ってみた。
当日は寒くてかなりの強風が吹いていたので案の定吊橋は左右にかなり揺れている。
揺れるのも怖いが頼りない足元の踏み板も十分怖いし強風と寒さで手がしびれる。
結局20メートルほど前進したが歯が立たずビビりながら引き返してきた。
やっぱり足元が揺れるのは全くダメだった。
下は谷瀬の吊り橋の目線での画像、一応ワイヤーや金網で落ちないようにはなっている。
でも下は50メートルくらいあるし、踏み板は隙間がある、さらにコレだけ長いと風で左右にかなり揺れるのだ。
管理人さんのお話しだと昔はもっと簡素だったらしい(うへぇ~)。
管理人さんと話し込む
しょぼんとして駐車場へ戻ってくると管理人さんがいたので暖を取るために部屋へ入れてもらった。
そこで管理人さんと様々なお話をした。
十津川村は日本一面積の広い村だが現在ではご多分に漏れず過疎に悩んでいる。
現在の人口は全盛期の3分の1だそうだ。
管理人さんが若い頃は今より道路が整備されておらず不便なところだったが子供も多く活気に溢れていたそうだ。
そして当時は林業が盛んな時期でそれなりに村と村の住民を潤していた。
だが現在はこれと言った産業もなく年寄りばかりになってしまったということだ。
子供が減ったため学校もいくつかあったのが統廃合されて数が減った。
道路は良くなっているのに過疎が進んでいるのだ(道路のせいだけではないだろうが)。
これは地方の村の共通した悩みだろうと思う。
TVで見たが最近は林業が息を吹き返してきている地域もあったりする。
十津川村では林業は売り先となり手が少なくてなかなか成り立たないらしい。
十津川村のように身近でよく訪れる場所でこうした事態になっているというのはなんとかしないといけないと思った。
何か良いアイディアは無いものだろうか?
道の駅 十津川温泉郷でコーヒーをすすりながら玉置神社行きを検討する
谷瀬の吊り橋の後は冷えた身体を温めるために十津川村役場近くの道の駅 十津川温泉郷に立ち寄った。
ここには外に足湯があるのだが入らずに中でコーヒーを飲むことにした。
川を見下ろしながら飲むコーヒーで一息ついて玉置神社に行くかどうかを考えた。
通過してきた国道168号は路面は雪はないが端っこにところどころ雪が残っている状況だ。
標高の高い大塔町の状況から推測するに、十津川村からさらに800メートルほど玉置山に登るときっと雪がたくさんあるに違いないという結論に達した。
玉置神社には寄らずにまっすぐ熊野本宮大社を目指すことにした。
下の画像は途中立ち寄った風屋ダム。
この辺りは関西電力による電源開発が盛んな地域の一つで揚水式の奥吉野発電所がある。
熊野本宮大社に参拝し熊野講の入講手続きをする
本日の一番の目的である熊野本宮大社は十津川村役場からはすぐそこだ。
管理人TomTomにとって熊野本宮大社は何度来ても何かを感じる特別な場所だ。
熊野本宮大社に参拝させて頂く
熊野本宮大社は駐車場からはそれほど離れていないので歩いて5分程度のところに社殿がある。
前回はS660の交通安全のご祈祷をしてもらった。
今回は仕事の段取りが一段落し新たな段階に入ったのでその祈願をしたかったのだ。
熊野講の申込みをさせていただく
今回申し込みさせていただいた熊野講というのは熊野の神様の崇敬者の組織ということだが特に束縛されるわけではない。
年会費を払うと会員証が発行され、毎月2回お祈りしていただける、参拝時には内玉垣内の参拝ができる、機関紙や祭儀の案内がいただけるというものだ。
より熊野の神様に近いところに自分がいることができそうな気がして申し込みさせていただいた。
今回はご祈祷はしていただかなかったが次回はしてもらおうと思う。
湯の峰温泉のつぼ湯は次回に持ち越し
寒かったし是非つぼ湯には入ろうと思っていたが今回は出発が遅かったためとゆっくりとしたペースだったので思いの外時間が遅くなってしまった。
非常に残念だがつぼ湯は今回はあきらめて紀伊半島の西側の海沿いを走ることにした。
年々増える海外からの観光客
熊野本宮大社は世界遺産でもあり非常に有名なところだが訪れる度に外国人の姿が多くなっている。
特にアジアからの観光客が多いように思った。
伊勢神宮にしても熊野本宮大社にしても海外からの観光客が多くなるのは観光立国を目指す日本にとっては良いことだ。
だがせっかく遠い日本へ来て日本人の精神世界の根幹をなしているこれらの場所を訪れる際には背景を勉強してから来ると理解が進むだろうと思う。
熊野本宮大社からは国道168号でまっすぐ新宮へ出て一路串本を目指した。
那智勝浦では季節はずれの桜を愛でて太地町でクジラと遊ぶ
今回は那智大社へは行かなかったが海沿いを串本に向かいながら気が向くとそこに立ち寄るという気ままなモードで走った。
なんと那智勝浦駅前に桜が咲いているのにはビックリした。
その後、捕鯨で有名な太地町では太地町立くじらの博物館へは一度訪れたことがあったので入らなかったが南国風情あふれる前の通りで記念撮影。
太地町はグリーンピースのクジラ漁(イルカも含む)反対運動でも一躍有名になった。
管理人TomTomはグリーンピースの過激で勝手な反対運動には閉口してしまう。
日本人がクジラを食べるようになったのは比較的最近だがその背景を全く考えない運動には同意できない。
またクジラがダメなら牛や豚はどうなのだ?と思うのだが、こうしたところは不平等極まりない。
自分のことを棚に上げて他人を攻撃するのは卑怯だと思う。
太地町立くじらの博物館の前でそんなことを考えてしまった。
串本町の橋杭岩と潮岬灯台を見る
さらに海沿いを国道42号線を走りながら串本を目指す。
串本は橋杭岩という奇岩と本州最南端の潮岬灯台が有名だ。
まずは橋杭岩に立ち寄った。
なんどか来たことはあるが今回のようにマジマジゆっくりと見学したのは初めてかもしれない。
ここで腹が減ったので橋杭岩のところにある食堂でおすすめのマグロ丼を食したがコレは少々失敗だった。
道路の反対側のケープタウンというお店のほうが良かったかもしれない。
お店の名前が本州最南端なだけにケープタウンなんてネーミングセンスが素晴らしい。
次回はこちらへ行ってみようと思う、旅ではこうしたことが面白い。
さらに少し走り潮岬灯台へ行った。
管理人TomTomが小学校へ上る前に訪れたような記憶があるのだがそれ以来かもしれない。
潮岬灯台は元々木造で1870年に稼働開始した。
現在の潮岬灯台は1878年に石作りに改められ現在に至っている。
考えてみれば当たり前だが灯台というのは海上保安庁の管轄ということを初めて意識した。
青い空をバックに白亜の潮岬灯台が美しい。
灯台の頂上へは螺旋階段で登るが途中にある窓からは海が見える。
潮岬灯台は石作になっているのがよく分かる。
潮岬灯台頂上から北西を望む、見えているのはたぶん田辺や白浜あたりか。
帰路はどうしようか?と悩む
あまり体調が良くなかったこともありできるだけ下道を走り体力と相談しながらどこかで高速に乗って大阪市内へ帰ってくることを考えていた。
とりあえず国道42号線を大阪方面へ向かって走ることにした。
この国道42号線は夜になると結構流れがスムーズで適度なワインディングになっていてハマれば快適だ。
しかしまだ夕方にもなってない時間帯なので流れはゆったりとしている。
通り過ぎる町々を楽しみながらまずは田辺市まで行って体調と相談しながら高速道路に乗るかどうかを判断しようと思った。
それまではバイパスは通らずできるだけ海沿いを海を見ながら走るようにした。
田辺市で車と人間に補給
田辺市には16時過ぎに入ってガソリンスタンドで給油を行う。
この時点で走行距離は341.5km、給油15.98L、ここまでの燃費は21.37km/Lとなった。
海辺で一休み
田辺市役所近くの公園の駐車場で一休みする。
持っていたパンでとりあえず人間もエネルギー補給した。
田辺市は歴史の古い街で見るべき所もたくさんある。
またの機会に街中を探索したいと思っている。
夕日のきれいな田辺市の海沿い
結局復路はオール一般道
再び国道42号線を走り出すと運転にもテンポが出てきた。
通過する街中では通勤ラッシュに出くわすがそれほどひどいものではない
田辺市からみなべ町、御坊市、そして醤油で有名な湯浅町を通過する。
この湯浅町も改めて街中を探索したい。
特に歴史のある醤油の醸造元などを見てみたいものだ。
結局そのまま国道42号線を走って和歌山市までやってきた。
体調が回復してきたので和歌山市から一般道を走ることにした。
国道42号線から26号線にスイッチし岬町から大阪府へ入った。
そこからは交通量が多く時間がかかったがやっとのことで大阪市へ入ってきた。
大阪市街を走るのは面倒くさかったので43号線へスイッチして兵庫県へ入り帰宅することにした。
自宅近所のいつものガソリンスタンドで給油して帰宅した。
結局高速道路は往路の阪神高速と南阪奈道路のみで走行データは次のようになった。
総走行距離:528.5km
総給油量:24.38L
燃費:21.68km/L
時間:06:00~22:30
S660で久しぶりに海を満喫した
今回の弾丸ツアーは旅の目的も達成できたし久しぶりに海を十分満喫した。
真冬とは言え天候にも恵まれて大変気持が良かった。
もう少し体調が良ければベストだが日頃の不摂生が祟ったのかもしれない。
S660の冬場はミドルモードが大活躍
外気温が低い時はS660は面白い現象がある。
管理人TomTomのS660はロールトップなので外気温が低い時は天井から冷気が降りてくる。
ロールトップは布切れ1枚なので外気の影響を受けやすい。
反面ドライバーの背中にあるバルクヘッドはエンジンの熱で冬場でも少し温い感じがする。
冬場のS660はドライバーにとって背中は比較的温かく、天井からは冷気が降りてくるということになる。
こうした時にS660のヒーターにはミドルモードというお腹あたりに吹き出すモードがあり重宝する。
タイヤが硬く感じる
やはり外気温が低いと標準装着のネオバが固く感じられてコツコツと衝撃が来る。
加えて走行抵抗が高そうな印象が強くタイヤノイズが大きい。
こうしたツーリングくらいの走り方なら転がり抵抗の少なくあたりの良い静かなタイヤが欲しい。
エンジンが重たい感じ
少し前からエンジンの回転が少し重たく感じている。
これは管理人TomTomがS660のエンジンに慣れてしまってそう感じるのか別の原因があるのか今のところ分からない。
エンジンオイルを交換しても良いかもしれない。
軽自動車にしては疲れが少ない車だと思う
S660はパワーがないだけで走る性能に関しては十分な性能を有する。
パワーが無いことが原因で少しストレスになる場合もあるがそれは主に街中でのことだ。
郊外のワインディグを走れば上りでのパワーが無い分だけコーナリングが埋め合わせをするという感じだ。
きつい上りでない限りかなりのペースを維持することができてワインディングでは気持ち良い走りができる。
管理人TomTomはこれまでに幾度となく1日で400km超の弾丸ツアーをS660で行ってきた。
今回は体調が万全ではないにも関わらず車が馴染んできたので疲れが比較的少なかったように思う。
ソロツーリングには走ることもでき燃費も良くてベストマッチだ。
惜しいのは硬い屋根の安心感と荷物の積載性がもう少しあればベストだと思った。
今回はこのへんで
では