最近のビッグモーターの報道にはビックリすることが多い。
その問題点はどうも2つあるのだと思っている、ひとつは中古車業界、もうひとつはモーレツな会社の社風。
両方とも世間からは一掃されたと思っていたがそうではないらしい。
そんなことを書いてみた。
中古車の評価
管理人が若い頃、すでに40年近く前のことになるが昔過ぎて参考にならないということも無いだろうと思うので書いてみよう。
ここでは国産車の中古車ということで書いてみる。
中古車業界が清く正しい道へ動き出したのはいつのことだろう?、と考えてみた。
きっとそれはオークションと関係があると思っている。
中古車の評価はご存知の通り素人では難しい。
というのは修復歴を見分けるのに専門的な能力が必要だからだ。
逆に修復歴を見分けることができればその個体に正当な評価ができるということでもある。
中古車オークションでの個体の評価がシッカリなされるということが買い手が安心できる中古車の流通を支えると言っても過言ではないと思う。
言い換えると買い手にとって修復歴あり/なしが信頼できる第3者が保証してくれることが重要だ。
通常買い手は中古車を購入する際に修復歴が無い個体を臨むだろう。
後々でのトラブルを避けるためだ。
これにはオークションが大きな役割を果たしたと思っている。
さらにメーター巻き戻しによる走行距離のごまかし対策も進んだ。
こうしたことが確立されてきたのは管理人が個人的に思うにここ20年ほどのことだろうと思う。
昔の中古車業界って…
こうして中古車オークションの発展に伴って修復歴の有無が客観的に表示されるようになった。
ではそれまではどうだったのか?
全く基準が無かったというのが実情だ。
基準が無いために中古車を購入しようと思うと信頼できるお店で購入するか、自分自身で個体をスミからスミまで見て自分で評価するかしか無い。
だから管理人も友人やクルマに詳しい知人に修復歴あり(昔の言い方では事故車)の見分け方を聞いて試したものだ。
だがこれが難しい。
下手くそな修理だと見れば分かる個体もあるが、どちらかというと少数派だろう、ほとんどのクルマは素人がパッと見ただけでは見分けの付かないキレイな修理を施されていることが多い。
大きな事故歴だとニコイチなんて当たり前にゴロゴロしていたし購入してから発覚することも多かったように思う。
そもそも修復歴あり(事故車)という表示なんて無かったし。
売り物である中古車がこういう状態だったし、これらを扱う中古車の営業マンも百戦錬磨の二枚舌が多かった。
個人的にはかつての中古車の営業マンは信用できなったというのが実情だった。
若い頃に売却希望のクルマを知り合いの知り合いの中古車ブローカーに託したことがある。
クルマがラリー車であったこともあるが、クルマが帰ってきたら泥だらけでわざわざ走り回ったことがバレバレだった。
せめてキレイに掃除くらいしてくれていたら良かったがそのままだ、それに値が付かないって返答まで付いた(苦笑)。
知り合いの知り合いでもこういう状態だったから赤の他人の中古車ブローカーなんて信用できない人たちなのだろうと思ったものだ。
一昔前の中古車業界って扱うクルマの程度が客観的に評価されるわけでもないためにその業界全体の信用度も低かった。
中古車を購入するのであれば目を皿にしてスミからスミまで確認し下回りも潜って見たものだ。
中古車購入の際の販売店の保証も大したものではなく1年保証が付けば御の字だった。
かつての中古車は目利きを失敗するとすべて自己責任なのだった。
一昔前の中古車業界ってクルマの質も低かったし関係する人たちの質も低かったと言わざるおえない。
昔の正規ディーラーもしかり
一昔前の国産車の正規ディーラーも五十歩百歩だった。
初代プラドに乗っていた時には車検で返ってくるとスタッドボルトが折れていた。
それ以外に覚えのないラジエターが溶接修理されていて修理代を払わされたこともある。
クルマが四駆だったこともあり今と違って荒くていい加減な整備だった。
その時にはトヨタの客相に電話して抗議したものだ。
日産では勝手にメーター交換されて(理由は不明)売却時にメーター交換の証明書を出させたこともあった。
こうした時代があったのは確かだが10年ほど前までは改善の兆しが見えていたように思う。
だがここ10年ほどは利益を追求するあまり逆に酷くなっていたと思う。
整備については時間がないのか最後の詰めが甘かったり、見るべきところを見ていなかったりイロイロ手抜きが多い。
さらに純正オイルの粘度違いを在庫してなかったり効率化に走リ過ぎの感が大いにある。
正規ディーラーの整備はこんな状況だったが下取り時の査定も酷かった。
輸入車(新車購入)を国産車ディーラーに下取りしてもらうために査定をしてもらったことがある。
その際に事故車だと宣言されたことがあった。
これは身に覚えがないので「購入した輸入車ディーラーに聞いてみる」と国産車ディーラーに伝えたら取り下げたのだった。
いったいどういうことなのだったんだろう、今でもモヤモヤしている。
つまり中古車の査定スキルが低いということだったのだろうか。
管理人の場合、現在では町の小さな整備工場にZC6_BRZ(別で購入)とJB74_ジムニーシエラ(整備工場で購入)の両方とも整備をお願いしている。
やはり整備している方の顔が見えるというのは大きい。
特にデメリットは無く、逆にメリットのほうが大きいように思う。
ビッグモーターにおける利益至上主義と従業員の恐怖による統治
ビッグモーターを擁護する訳では無いが企業である限り利益を追求するのは当たり前のことだ。
だがそれをどこまでやるか?というのは経営者の力量だし現場の声をどこまで吸い上げられるかということに尽きると思う。
昨今は企業におけるコンプライアンス遵守ということも重要なこと。
法律に触れることを企業として行うこと自体が制限され監視されている、ガバナンスを効かせてあらゆるチェックリストをクリアしないと見積書も顧客に出せない時代なのだ。
さらに上を向いて仕事をするというのは昔からあること。
人事権を握っている人が強いのは組織では当たり前のことだ。
だが従業員を脅しながら仕事を強要したところで良い仕事はできないし、ましてや顧客の満足は無いだろう。
ビッグモーターのこうした上からの圧力を過大に掛けるやり方というのは古臭い。
こうした圧力は現場の営業マンを通じて顧客が感じてしまうものだ。
もちろんこうしたことを顧客が感じると直感的にヤバイと感じて離れてしまう。
中小企業では金が無いためにこうした圧力を経営者が従業員に掛けるということはあることだがビッグモーターは異なる、少なくてもビックリするような高給取りの従業員がいるのだからカネに困ってやっているわけではない。
つまり経営者の力量不足、それに裸の王様で正しい助言を行う人が廻りにいない状態だったのだろう、不幸なことだ。
抑圧された従業員の側も理不尽な業務命令が下ってもそれを受け入れてしまっていたことは残念なこと。
さらに一言言えば忖度して先回りして拡大解釈してしまうという傾向も大いにあるように思う(街路樹の件とか)。
経営者の責任はもちろん大きいが現場の責任も大きいと思う。
ビッグモーターに関しては従前から経営コンサルや稲盛塾の名前も出ているが、客商売の基本を学習しようとしたのだろうか。
現代でもこういう会社が出てくること自体に驚愕する。
ビッグモーターに査定してもらおうとしたことがある
ビッグモーターのことはコマーシャルで見たこともあるし知っていた。
2021年に前車であるS660を売却する際に査定申し込みにビッグモーターも入れてみた。
その時の印象を書いてみる。
一括で査定を申し込みできるサイトを利用して複数の買取業者にコンタクトした。
いつも6~7社の査定を取るのだがその時は少なめに4社ほどだった、その中にビッグモーターを入れていた。
ビッグモーター以外の買取業者は電話してきて訪問査定が基本で日時を決めていった。
しかしビッグモーターから電話はあったが営業所に持ってきたら、という内容だった。
訪問してもらえないのか?と聞くと可能は可能だが…という返答、ちょっと横柄な印象だった。
それでは結構、ということでビッグモーターによる査定は断ったのだった。
今考えるとこの時に感じた印象による判断は正しかったと思う。
もしビッグモーターに売却していたら、なにかと難癖付けられて酷いことになっていたのかもしれない。
消費者は忘れない
お話はクルマではないが、かつて雪印集団食中毒事件という事があった。
これは牛乳の製造過程で不正なことが重なって起こった事件だった。
だが毎日飲む牛乳なので消費者にとってはインパクトが大きい、しかもビッグネームの雪印だったからなおさらだ。
この事件が起こったのが2000年だから今から23年前になる、我が家では未だに雪印の製品は買わない(雪印メグミルクも同様)。
不正直で嘘つきでコンプライアンスを守らない企業については消費者やユーザーはいつまでも覚えているものだ。
これが企業イメージというものだろうと思う。
ビッグモーターの場合、経営者は私財を投げ売って事態の収拾に走るべきだが、別の会社を設立して逃げるつもりのようで責任感のかけらもない、自分の生き残りだけを考えているようだ。
現在はビッグモーターに外部の一流経営コンサルが入って復活を計画しているらしい。
一般のユーザーはなめられたものだと思う、経営コンサルが入って解決する問題ではない。
これだけ悪のデパートと化したビッグモーターと取引をしたいという人がいるのだろうか。
「消費者は忘れない」ということを肝に銘じるべきだ。
損保ジャパンもビッグモーターと同罪だと思う
ビッグモーターと損保ジャパンの関係も気になる。
ニュースを見ていると、損保ジャパンは知らなかった感知していなかった体を通しているが確信犯だったのではないだろうか。
自動車保険という社会インフラの一種を担う会社としての責任感不足だ。
コンプライアンス遵守も何もない…、損害保険最大手がこれではダメだ。
自動車保険はクルマの種類別の事故率や契約者の保険利用により保険料が決まる。
それを故意に保険補償額を膨らましていたということであれば当事者だけの問題ではなくなる。
広く保険契約者への影響が考えられる、こうしたことを考えた人はいなかったのだろうか。
素人でも分かる理屈だと思うし、バレれば大事になるということは予見できたはず。
何度も言うが損害保険最大手がこんなことをやるなんて信じられない。
ひょっとするとビッグモーター以上に利益至上主義なのだろうか。
ビッグモーターと関係して不正を働いたのは損保ジャパンだけなのだろうか?、他の損害保険会社はどうなのだろう。
いずれにしてもこうした関係を明らかにし責任を追求することが必要だろう。
何かと便利な時代だが、根本的なことで自分を守らないといけない時代だ。
なにかがおかしいとか、違和感があるとか、なにかしら感じた自分の感性を大事にしたい。
ビッグモーターに関しては今後事態を見守っていきたいと思う。
今回はこのへんで
では