スポーツカーと痺れる感覚

スポーツカーはある意味カミソリのような存在だ。

禁断のスポーツカー感覚

それは鋭敏なだけに操るのには極度の緊張を強いられる、走る前に胃がキリキリと痛むのだ。
これは若い頃に何度も味わった。当時六甲山をラリー車(競技はまだ参加していない)で走っていた頃のお話だ。 六甲山の東側の上り口に夜な夜な通って走り始めるのだ。その走り始める時にこの感覚を幾度となく味わったものだ。個人的にこの感覚は嫌いではない、今からやるぞ!というようなある種気合を入れて今から始まるドラマに対応するという感じだ。
自動車の競技とは別に自転車競技を長らく続けてきたのでこういったスタート前のピリピリした雰囲気は良く理解できる。またラリー競技を経験したのでそのスタートの際にも極度の緊張感がある。しかしこの六甲山を走り始める際のキリキリとはいずれも異なったものだ。
なぜキリキリと胃が痛むのか、これは今から遭遇するリスクの大きさにビビっているからだろうと今から思えば理解できる。
というのは当時の六甲山を走り回るのは非常にリスキーで難しい事だった。

リスキーな走り

友人がガードレールに張り付いたり、もちろん自分も何度か張り付いたことがあるし、日曜日の早朝に対向車が膨らんできて間一髪でかわしたこともあった。後で思えばこの時ばかりは死んでもおかしくなかった状況だった。
またある夜はコーナーのクリップを通過して加速しようとすると対向車のライトが4つも見えた事があった。つまり対向車線で追い越しをかけている真っ最中だったのだ。この場合もなんとかかわして事なきを得ているが本当に何度もこういった状況に陥っていた。
大変オーバーな表現だが私にとっての当時の六甲山は、いつ死んでもおかしくない状況の連続だったわけである。ある日こんなことをしていてはいくつ命があっても足りないことに気付いた。それでキチンとした競技の世界に踏み込んだという訳だ。それがラリー競技だった。

競技はストリートは全く別世界

そこから競技の厳しさや車のセッティングの難しさにハマる事となるわけだ。
ここでの練習と本番で会得したことが、今の私の車との関係の基礎を形造っていることは間違いない。やはりスポーツの究極は競技(コンペティション)だと思う。
ただ人それぞれにレベルがあるので、それぞれの種目と競技カテゴリでのお話となるので一言では比較ができない。それこそ自分との闘いだし、少しは無い頭を絞って戦略を考えてみたりもするものだ。
以前にも書いたがスポーツカーと競技車は全く異なる。競技車はその競技のために作られて高得点だったり好タイムでゴールすることを目的としている。従って快適性だとかは犠牲にしてしまうことが多い。それに車両の公認の関係もあるので好きな車で競技に参加できるとは限らない。資金や参加カテゴリの関係でこの車しかダメという状況もたくさんあることだろう。

競技車両とスポーツカー

競技はそのカテゴリーの中でタイムや得点を狙うので絶対的なモノを求められる。一方スポーツカーはドライバーの満足が得れれば良い。
しかし人間の感性というのは非常に鋭く繊細なのでこれを満足させることも大変な事だ。だから世の中のスポーツカーが勢い高価であることは、少量の需要しかないという問題もあるが性能面やフィールが優れているところにコストを掛けているからだ。
内燃機関はしばらくすると無くなってしまうかも知れない時代だ。それまでには十分味わっておかなければならないと思う。それも原始的な電子制御の少ない車でだ。ゲームのような車が多くなってきても決して人間の感性を満足させることは難しいのではないだろうか。それとも制御技術のほうが人間の感性を上回ってしまうのだろうか。 ちょっとスポーツカーの将来を心配するのであった。
TE71カローラGTセダン
↑ TE71カローラGTセダン、これはプラモデルの箱の画像だが非常に良く再現されている、、このTE71のラリー仕様車を中古で入手、エンジンはあの2TGでEFI仕様だった、私が乗っていた車はフルラリー仕様でエンジンこそノーマルだがボディーは補強だらけ、ステアリングギアボックス変更、エアコンレス、足回りは車高が上がりロアアーム延長やフルピロボール化、ホーシングへの補強等々盛りだくさんの車だった、それこそ気合と体力が必要だった、画像はネット上から拝借

KP61
↑ KP61スターレット、この車はFRなのだ、ラリー仕様を中古で入手、当時オベアンダーソンが宣伝をしていて熱い走りを見せてくれた、画像の車はEFI化された角目のモデル、私が乗っていた車はこれまたフルラリー仕様で一通りのことがしてあった、画像はネット上から拝借

EP71
↑ EP71スターレット、ムッチャ良い姿勢だ、スターレットがFFになったモデル、この車は新車で手に入れてラリー仕様に改造した、改造途中でラリー規定が変わり各部の改造範囲に制限がかなり出た、そのために余ってしまったパーツが多くて困ったものだ、非常に素性の良い車でFFとは思えない走りをする、エンジンも非力だが気持ち良く回るエンジンだった、今から思えばこの車でFFに開眼したようだ、画像はネット上から拝借

長々と個人的なバックボーンと乗ってきた車を書いてしまった。
ただこのブログの記事にはこうしたバックボーンがあり、それを元に書いているという 事を理解していただくと良いかもしれない。

今日はこのへんで
では