アクアG「“G’s”」のキモはボディー補強だ

トヨタの「G’s」の一連のシリーズと言えばメーカーチューンの少し走りに振ったカスタマイズカーという認識だ。

コンプリートカーの勃興

個人的には最近年を取ったせいかもしれないが、車を弄るのに時間がかかるのはなんだか気が進まない。
もし新車を買うのだったら最初からコレとアレを組み込んだ状態で納車となれば一気にカタが付いて有難いと思うようになった。心理的にはたぶんオッサンになり老い先を考えると時間がもったいないということなのだろう。こうした考えは何も私だけではないようだ。
話を元に戻すと、こういう人たち向けにある程度のパーツを組み込みチューニングをした完成車をコンプリート提供するという形態が定着しつつある。買うほうからしてみればチューニング含めてローンがパーツも含めて一発で組めたりというメリットもある。

トヨタの「G’s」メーカーコンプリートの意味

このトヨタの「G’s」シリーズにはもう一つ見逃せないポイントがある。
それはボディー補強で、アクアG「“G’s”」ではその中でも特に開口部のスポット増しだ(ボルトオンの補強パーツも入っている)。ボディー補強と言っても様々あるが、スポット増しとは補強方法の一つである。ご存じのように車のボディーは鉄板が組み合わさってできている、この鉄板が合わさった部分をスポット溶接という点で留める溶接方法で固定している。例えばスポット溶接はメーカーが作る際に5cm間隔で施してあるとする。この5cmの間にさらにスポット溶接を追加するというのがスポット増しである。
特に開口部のスポット増しは非常に効果的でドア・ウィンドウ等が対象となる。今回のアクアG「“G’s”」についても同様の方法が取られていて、ドア開口部とサイドシル部にスポット増しが施されている。アクアG「“G’s”」はこれだけでも非常に価値が高いと思うのだ。購入後に自分でスポット増しを行おうとすると非常に高いものについてしまうからだ。
ちなみにメーカーがスポット増し等の方法でボディーを補強したモデルを出したのは三菱のコルトラリーアート(シームレス溶接と呼んでいた)の例もある。

「G’s」はボディー剛性を重視

このボディー補強はボディー剛性を上げるのに非常に効果的だ。
このボディー補強を行うと全く異なる車となりドライビングを変えるほど車の特性が変わる。そしてアクアG「“G’s”」はこのボディーを元にメーカーが足回りをチューニング(車高は25mmダウン)して仕上げてくるのだから非常に価値は大きい。
ただしアクアG「“G’s”」はノーマルアクアとはかなり感触が異なることになると思われるので購入者がそれを気に入るかどうかはその人次第だと思う。ましてアクアG「“G’s”」の試乗車が全く無い状態で買うのだからかなりの冒険には違いない。

「G’s」の成り立ちは国内のラリー車と同じだ

アクアG「“G’s”」のエンジンやミッション、駆動系はノーマル車と変わらない。
しかしこのアクアG「“G’s”」の成り立ちは(ノーマルエンジン+ボディーチューニング)国内のラリー車と同じだ。まずはボディーをビシっと決めて足回り等をチューニングする、かなり気持ちの良いドライビングが楽しめるのではないかと思う。

アクアG「“G’s”」のスペック

アクアG「“G’s”」のスペックを見てみよう

サイズ:全長4055mm×全幅1695mm×全高1420mm
車両重量:1110kg(ノーマル1080kg)
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直4DOHC
最高出力:54kW(74ps)/4800rpm
最大トルク:111Nm(11.3kg-m)/3600-4400rpm
モーター最高出力:45kW(61ps)
モーター最大トルク:169Nm(17.2kg-m)
システム出力:100ps
トランスミッション:CVT
車両本体価格:222万円(ノーマルの35万円高)
発売日:2013年12月9日


↑ アクアG「“G’s”」のフロント画像、フロントグリルはかなり変更されアグレッシブな印象、LEDのデイライトが効果的に使用されている、しかし実用性を損なうほどのデザインでもないところがさすがメーカーメードだ、個人的には外観ノーマルのアクアG「“G’s”」モデルがあれば良いと思う、画像はメーカーサイトより拝借


↑ アクアG「“G’s”」のリア画像、リアはデフューザーが目立つ、大きなマフラーが見えないところがハイブリッド、アルミホイールは2種類ありポリッシュしたものとそうでないものがある、画像はメーカーサイトより拝借


↑ アクアG「“G’s”」のインパネ画像、各所にピアノブラックのパーツと表面の仕上げは合皮にシルバーのステッチが施してある、シフトレバーも特別仕上げの赤いもの、画像はメーカーサイトより拝借


↑ アクアG「“G’s”」のシート画像、シートも専用のものだ、サイドサポートが深くなりサポートが良さそうな印象、これでアイポイントが下がれば良いのだが、こうしたメーカーチューニングの車はノーマルと比較してアイポイントが下がることはまれだ、画像はメーカーサイトより拝借


↑ アクアG「“G’s”」の補強の説明画像、ボディー下部のサイドシル部分はスポット増しが入っている、その他はボルトオンの補強材が取り付けられている、個人的にはボルトオンの補強材は後で自分でも取り付けることができそうだがスポット増しのような補強はなかなかできないのでそこにこの車の価値があると思うのだ、画像はメーカーサイトより拝借

アクアG「“G’s”」は価格だけの価値はある

アクアG「“G’s”」はノーマル車より35万円ほど価格的が高価だが、スポット増しで補強されたボディー、それを前提にチューニングした足回り、そしてアグレッシブなエアロパーツ、室内の加飾を考えるとこの価格は非常に安いと思う。ただオッチャン用に外観ノーマルのアクアG「“G’s”」とLSDもラインアップしてほしいものだ、切に希望する。

今日はこのへんで

では