トヨタJPN TAXIに思う これでやっと実用本位のタクシー専用車ができたと思う

管理人はタクシーには良い思い出がない。
なんて書き出しだと管理人はいつもネガティブな奴だと読者からおしかりをいただきそうだ。
だけど実際タクシーに乗って快適だったことがあるだろうかと考えてみた。
管理人はタクシーはほとんど使わないだけにタマに乗った際の印象が強烈なのだ。
クルマ好きとしてはまずあの乗心地をなんとかして欲しいと思っていたのだった。
そんなタクシーのことを書いてみた。
トヨタJPN TAXIのサイド画像
toyota.co.jp

底付きするタクシーのリアサスペンション

ご存知の通り現行のタクシーはほとんどがFR駆動のセダンとなっている。
リアのトランクには巨大なLPGタンクを積んであるのを見たことがある人も多いだろう。
あのLPGタンクがどのくらいの重量があるのかは知らないがトランクの容量を圧迫しているのはよく分かる。

さらに悪影響がある。
それは乗心地に関することだ、タクシーのリアサスはLPGタンクの重量を考慮していないように思える。
というのは管理人TomTomがタクシーに乗った際にちょっとしたギャップを通過した。
その際にタクシーのリアサスペンションは底付きし、激しい衝撃がガツンと後部座席に乗っていた管理人TomTomを襲ったのだ。

いまどき車のサスペンションが底付きするなんて通常ではあまりないことだと思う。
自分の車ですら激しく走った際にギャップに突っ込んでしまったことはあるが底付きするなんてめったにない。
それがいとも簡単に、それも町中のギャップで底付きするのだ。
うまいドライバーなら路面にギャップを認識したら、ギャップ通過時に抜重して衝撃を軽くするという事もできるだろう。
だが並のタクシードライバーにそれを求めるのは無理だろうし、そんなうまいタクシードライバーにはお目にかかったことがない。
タクシーは町中で呼び止めるが、その際に車種やドライバーの選択はできないのだ。

で、その時に管理人TomTomはあやうく腰を痛めそうになったのだった。

確かに現行のタクシーは快適ではないのは明白だ

管理人TomTomはこうしたタクシーの乗心地についてはどうにかしてほしいと思っている。
それにタクシーに乗るのがこれを機会に嫌になってしまったのも事実だ。
タクシーに乗って腰を痛めるなんて有料の乗り物サービスとしては不都合極まりない。

さらに乗り込む際にも苦労することが多い。
ドアが自動で開くのは日本のタクシーの美点だが、乗り込む際に結構苦労する。
荷物を持っている時はなおさらだ。

なぜこんな乗心地の悪い、乗り降りのしにくい車両が現在のタクシーのベース車両となっているのだろうか?
それはきっと数の論理として商業的な理由だけだろうと思う。
規制をクリアした上で安く作るために市販車をベースとして車を選択したということなのだろうと思う。
それはそれで自動車メーカーの戦略だし、購入するタクシー会社も耐久性やイニシャルコスト、さらにはランニングコストを考慮したバランスの上に成り立っているのだろうと思う。

もうひとつタクシーで気になることがある。
管理人TomTomはタクシー利用時に高速道路を走ってもらったことが時々ある。
というのは管理人TomTomの場合タクシー利用時は、ほとんどが仕事で電車がなくなってしまい、やむなくタクシーに乗って帰宅するということが多い。
タクシーの走行スピードは夜中なんかは一般道で実質80km/hだったり、高速道路上では100km/hということもあるだろう。
その時の安全性が確保されているのかということが気になるのだ。
そういう意味ではバスや電車も同じなのだろうがタクシーは速度が高いので気になるのだった。

タクシー専用ボディがあらゆる意味で素晴らしい

現行のタクシーにはココまで書いたように不満タラタラというのが現状だ。
今回トヨタから発売開始したJPN TAXIを見てやっと専用ボディーのタクシーが出てくる!と思った。

タクシーの専用ボディーはロンドンタクシー(LTI製 TX4)が有名だが、他には管理人TomTomが知る限りではタクシー専用ボディーというのは見たことがない。
市販車のように見えるタクシー専用車や、ほんとうの市販車を改造し色を塗り直した車両がほとんどだろう。

JPN TAXIを見ているとボディー形状が実用的だ。
乗降時に楽で、中に乗り込んでも楽、頭上空間がたっぷりあるので圧迫感もない。
後席で3名乗車の真ん中の苦痛も少なそうだ。
今のタクシーは不運にも後席中央になってしまうと、お尻が痛いのと横Gに耐えるため腹筋使うことで拷問のような乗心地だ。
いつもこうなったときは、こんなので有料なんて信じられないと思ったものだ。

こうしたユーザの声は聞こえていたのだろうが今までは無視だった。
だからユーザは我慢して乗りにくい、座りにくい、乗心地の悪い、運転の下手な(上手い人もタマに遭遇する)タクシーに乗るしかなかった。

JPN TAXIでは後席でシートベルトを閉めれば後席用のエアバックも装備しているので安全性も確保できる。
プロとして乗客を運ぶのならば、こうした安全を確保するというのは最優先だろうが今まではおざなりにされてきた。
やっとこれでユーザは安全なタクシーに乗ることができるというものだ。

さらにタクシードライバーの下手さ加減を吸収するような仕組みが装備できないだろうか。
例えばブレーキの荒いドライバーだと信号でつんのめって停止し乗客はその反動でガクンとなる。
こうしたスムーズなGが出せないドライバー用にGをスムーズにする仕組みがあったら良いと思うのだ。

運転の下手なドライバーのタクシーは本当に不快なのだ。

下の画像はトヨタJPN TAXIの後部座席まわり、足元は広々だしフラット、天井も高くて圧迫感がない。
ただリアウィンドウと後席が近いのが少し気になる。

トヨタJPN TAXIの後部座席
toyota.co.jp

下の画像はトヨタJPN TAXIのラゲージスペース、スーツケースが入るようになっているが後席は前へスライドさせないといけないだろう。
まぁでもこれだけ積載できれば一般的には十分だ。

トヨタJPN TAXIのラゲージスペース
toyota.co.jp

JPN TAXIのデザインはなかなか微妙だ

とここまではJPN TAXIに対しての期待を書いてきた。
JPN TAXIはタクシーに乗るユーザとしては大歓迎の機能を満載していて大いに期待できる。

一方横からデザインを見てみるとなんだか霊柩車のようなデザインだ。
画像で見る限り車体色が黒くてピカピカに磨き上げてあると余計にそう見える。
だからJPN TAXIは黒い車体色でないほうが良いのではないだろうか。

たぶん実用性を第一に考えてデザインし少しでも違和感のないおしゃれに見えるデザインとしたのだろう。
それはそれで分かる。
でも後席からリアエンドにかけての腰上のデザインはまるで短い霊柩車だ。

下の画像はトヨタJPN TAXIのサイド画像だが後部座席のあたりからリアにかけてのルーフあたりが霊柩車のような雰囲気だ。
それ以外はうまくまとまっているように思う。

トヨタJPN TAXIのサイド画像その2
toyota.co.jp

JPN TAXIは国際的にはどのように評価されるのだろうか

管理人TomTomが思うにJPN TAXIのサイズは日本以外では少々小さいのかもしれない。
JPN TAXIは5ナンバーサイズに収まっており(全長4,400mm×全幅1,695mm×全高1,750mm)、日本の町中で使用するにはベストなサイズだ。
管理人TomTomが勉強不足なだけかもしれないが、日本国内でタクシー専用車が5ナンバーで継続されたというのはやはり凄いことだと個人的には思う(なにか法規制があるのだろうか)。

ちなみにロンドンタクシー(LTI製 TX4)のボディサイズは全長4,566mm×全幅1,783mm×全高1,823mmとなっていて結構大柄なのだ。
だから海外のタクシー専用車需要を狙っての車両開発ではないのだろう。
こういう事ができるのは資本的に余裕のある自動車メーカーでないとできないと思う。
実際に海外でのタクシー車両では日産がNV200を提供していたりするが、この車両は市販車ベースのミニバンでタクシー専用車ではない。

JPN TAXIはハイブリッド機構を持つこともあり車両価格がコンシュマーユーザーが思うよりも高価だ。
タクシー事業者にすればどれくらいの耐久性があるかで収益性は決まると思うのでこれでも良いのだろう。
アジア向けのタクシー専用車両としては機能的には問題はないだろう。
だがそのコストを事業者どう処理するかによって決まるのだろうと思う。
こういう事を考えるとJPN TAXIはやはり日本のタクシー専用車両なのだろう。

いずれにしてもこれでユーザにとって快適で安全な移動手段となることを望みたい。
もうサスペンションが底付きするタクシーの後席なんて嫌だ。

今回はこのへんで
では