三菱「アウトランダーPHEV」にはミッションが無い!

ちょうど1年ほど前にトヨタからプリウスPHVをお借りして1週間ほどモニターさせていただいたことがある。
それまではEVやPHVには強い関心は無かったが、乗ってみるとその能力に驚いたと同時に強い興味を持つようになった。

気になる三菱アウトランダーPHEVの成り立ち

そこで2013年1月に発売開始された三菱アウトランダーPHEVの成り立ちが非常に興味深いので紹介しようと思う。
三菱アウトランダーPHEVの場合はハイブリッド車に分類できるのだが、通常のハイブリッドではなくエンジンで発電し、その電気を利用して走るEVだ。
前後の駆動軸には各々モーターが付いていて(合計2個)普段はこれで走り、条件が揃えばエンジン駆動で走る(FF)ということだが、タイトルにもあるようにミッションが存在しない車なのである。
その前後のモーターを利用した4WDだが、4WDで沢山実績のある三菱なので制御はお手の物だ。
S-AWCと呼ばれる4輪統合制御が前後輪間の差動制限制御・左右輪間のトルク制御・ブレーキ制御を行うことで、4輪の駆動力・制動力をそれぞれ独立してコントロールを行う。
アウトランダーPHEVの説明図
↑ アウトランダーPHEVの説明図、フロントにはエンジンと発電機にモーター、リアにはモーターのみ、そして中央には電池が配置される、ミッションが無いというのはEV的発想だ、画像はメーカーサイトより拝借

実用的なEV走行距離

純粋にPHVとして見ればEVでの走行距離が60キロを超える事が大変実用的だ。
この距離なら日常の近場の所用はほとんどカバーできるのではないか。
またHVまたはPHVとしては一番長いのではなかろうか。
次にエンジンを積んではいるが、走行用としては限られた場面でしか使われない。

さらに驚くことにはエンジンからの動力伝達経路にトランスミッションが存在しないのだ(クラッチはあるらしい)。
つまりエンジンは走行時は駆動系と直結なので、エンジンの最も美味しい回転数の場面でしか使われない、具体的には高速走行時だ。
これはモーターでは高速走行時の効率が悪いからだそうだ。
これ以外の場面ではもっぱら発電機としての役割を果たすようになっている。
まるで昔懐かしいディーゼル機関車の列車のようだ。
アウトランダーPHEVのセレクター
↑ アウトランダーPHEVのセレクター、左のBのポジションが回生ブレーキのポジションだ、画像はメーカーサイトから拝借

パドルと充電モードのの意義

以前プリウスPHVで指摘していた積極的回生ブレーキモードが欲しいという部分だが、三菱アウトランダーPHEVではセレクターレバーでも選択できるし、ステアリングに付いたパドルで6段階から選択できるのは良く考えられていると思う。
アウトランダーPHEVのステアリングについているパドル
↑ アウトランダーPHEVのステアリングについているパドル、このパドルで回生ブレーキの強さを6段階から選ぶことができる、これは非常に良いアイディアだ、画像はメーカーサイトから拝借

エンジンがもっぱら発電機だということからアイドリングで電池を充電できるモードもあり自分自身で満充電までこなすことができる(バッテリーチャージモード)。
さらにバッテリーを温存するモードがある(バッテリーセーブモード)。
これをどう使うのかは良く分からないところだが・・・。
アウトランダーPHEVの4WDロックボタン
↑ アウトランダーPHEVの4WDロックボタン、前後の駆動輪は機械的に繋がっていない、各々モーターが動いているだけなのだが擬似的にロック状態を作り出している訳だ、これも面白い発想だ意外と不整地の走破能力が高いのかもしれない、画像はメーカーサイトより拝借

使い方の可能性が広がるアウトランダーPHEV

充電プラグは通常充電用のチャデモと急速充電用(オプション)の2種を装備する。
通常充電は約4時間、あまり必要なさそうだが急速充電は30分で80%とのことだ。
モーター駆動の4WDでハイブリッド、加えてプラグインで充電もでき60キロをEVとして走行できる。
なんと言っても航続距離が長いし、ボディーがSUVなのでこのシステムと非常に相性が良さそうだ。
またアウトドアへ出かけた際にACを1,500Wまで利用できるのはこの上なく便利だと思う。
例えばキャンプに出かけたときに炊飯器でご飯を炊くことができるのだ!

今日はこのへんで
では