これからの自動車社会のキーワードなるローカルダイナミックマップ日本発のISO 14296と運転の自由

    2019/09/26

2016年3月30日に経済産業省が日本発の国際規格「ISO 14296」が発行された内容のリリースを出したというニュースが出ていた。
この「ISO 14296」というのは協調ITSにおける地図データベースの拡張仕様なのだ。
ご存じのように自動車の自動運転には正確かつ刻々と変化する情報を備えた地図が必要になる。
そのための地図データベース規格なのだ。

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ローカルダイナミックマップとはなんだ?

ローカルダイナミックマップは大まかに言うと2種類のレイヤーから構成される。
一つは道路や建物と言った静的な情報のレイヤー。
もう一つは自車周辺の刻々と変わる状況の情報レイヤーなのだ。
この2つのデータを重ねあわして利用する事で自動運転のために高度化した地図情報となるという訳だ。

この地図のレイヤー技術はかなり以前からあるにはあった。
例えば専門的だがガス会社向けのガス管マップなんかが有名ではなかろうか。

今回の「ISO 14296」ローカルダイナミックマップでは4層のレイヤーからなりそれぞれ次のようなレイヤーとなる。

動的情報(1秒以下)

ITS先読み情報
周辺車両、歩行者情報、信号情報等

准動的情報(1分以下)

事故情報、渋滞情報、狭域気象情報等

准静的情報(1時間以下)

交通規制情報、道路工事情報、広域気象情報等

静的情報(1ヶ月以下)

路面情報、車線情報、3次元構造物等

これらは協調ITSのサービス提供のための基盤技術として上記の地図技術を日本が国際標準化を提案してきたモノとなっている。
それが「ISO 14296」(協調ITSにおける地図データベース仕様の拡張)という形で規格が発行された。

次の画像はダイナミックマップの概念図(ITUジャーナル Vol. 45 No. 7より

ローカルダイナミックマップの概念図

協調ITSってなんだ?

では上記のローカルダイナミックマップの利用目的である協調ITSとはなんだろうか?
管理人TomTomは2015年9月に世界初の「ITS Connect」を搭載した車(トヨタクラウン)が発売された際にその概要をまとめた

それにしても用語が沢山出てくるので非常にややこしい事この上ない。
ITSだけでも「協調ITS」や「ITS Connect」やら同じような単語が飛び交う。
その「協調ITS」の定義は次のようになっている。

協調 ITS(高度道路交通システム)は、路車間通信、車車間通信(車-インフラ-車間通信を含む)、通信方式やデータ形式などの整合を図り、両システムが連携、補完することで、様々な ITS サービスアプリケーションを実現するものです。
(経済産業省プレスリリースより)

ここで重要なのが路車間通信や車車間通信を含むという事だ。
こうした通信を介して前述のローカルダイナミックマップの動的情報を読み出して自動車運行に供する。
もちろん自動運転にもこうしたリアルタイムの情報は欠かせない。
というかコレが無いと自動運転が実現できないだろう。

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複雑なITS標準化委員会の構成

こうした非常に複雑で関係する業界がや団体が多い国際規格の場合は参加者が多岐に渡る。
加えて各国政府が絡み産業への影響も大いにあるために非常に複雑な動きを見せることが多い。
例えばEVの充電規格なんかもそうだ。

今回のようなISOに関する国内のITS関連の標準化のスキームも非常にややこしい。
簡単に言うと下記の図のように国内のTOP組織は「ITS標準化委員会」というのがありその下に事務局と技術委員会がぶら下がっているという形を取っている。
自動車技術会 ITSの標準化2015より)

ITS標準化委員会の構成

構成組織は自動車技術会を筆頭に財団法人や社団法人それに公社が並んでいる。
業界を横断して技術をまとめなければならないためにこうした形になっているのだろう。
一般ユーザーにはこうした形は普段見慣れないだけに興味深いのだった。
やはり政府主導で業界を束ねて行くという事は一筋縄ではなく大いなるパワーとリーダーシップが必要な事業なのだろう。

自動運転を主導する組織SIP-adus

政府肝いりでの自動車の自動運転を推進しているのがSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)と呼ばれる組織だ。
この組織の中にはいくつかのプロジェクトがありその中の1つが自動走行システムという事になっている。
このSIP配下の自動走行システムの分科会はSIP-adusと呼ばれている

いずれにしてもこうした政府主導の強力なリーダーシップが無い限り業界をまたいだブレークスルーは難しい。
さらに2020年のオリンピックに向けて自動運転を実現するというミッションがあるから動きを加速する必要もある。
そしてこうした組織に予算を付けて実現を急ぐべく動いているという事なのだ。
それが年度末という事もあり2016年3月には様々な動きがあった。
その一環が今回の「ISO 14296」の発行にもつながっている。

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自動運転の行方「運転の自由」はどうなるんだろう?

自動運転については管理人TomTomも以前書いたが影響範囲が非常に大きく単に自動車だけの問題では済まない側面を持つ
ひいては福祉やエネルギー政策にまで影響がある。

こうした話題を扱うたびにいつも思うのだが自動運転なんてSFやマンガの世界だと思っていた。
それが生きている間に見れるかもしれないというのは画期的な事だ。
反面、自動車は電車と異なりいつでもどこへでも行ける自由の象徴のような乗り物だ。
こうした事が薄れて行くのは少々複雑に思う。

しかし良いとこ取りをすれば良いだろう。
例えば自分で運転してワインディングロードを楽しむ、それに疲れたら目的地まで自動運転で移動するなんてできたら最高だ。
こうした運転の自由が保障されるというか確保される事がドライバーにとって重要だろう。
そのうちに運転の自由を我々車好きが主張する時代が来るのだろうか。

今回はこのへんで
では

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