2輪のシフト操作と4輪のシフト操作の違い ミッション自体の構造と操作方法に違いがある

最近のクルマのエンジンの回転落ちが遅いと感じているのは管理人だけではないだろう。
つくづく思うのはクルマ自体がいたせりつくせりになってきていてドライバーにとって過保護になっているのではないかということだ。
日産のフェアレディZやホンダのシビックType-R、トヨタのカローラスポーツでも回転を自ら合わせるMTモデルが出てきている。
MTの絶対数が出ない昨今、MT乗りは貴重で乗りやすくしないと売れないのだろうか。
そんなことを書いてみた。

最近のクルマはエンジンの回転落ちが悪い

MT乗りの皆さんは最近のクルマのアクセルペダルを離した時のエンジンの回転落ちが悪いことをどう思っているのだろうか。
管理人TomTomはビックリするくらいに回転落ちが悪いと思っている。

最近のクルマの回転落ちが悪いという味付けはイロイロ理由があるのだろう。
だがECUでエンジンマネージメントをしているのだから、回転落ちをコントロールするのは容易なはずだ。
とすると、回転落ちの悪い原因はそういう味付けをしているからということになる。

ではなぜこういった味付けにしているのかということだ。
管理人TomTomが思うに、これはきっとあらゆるレベルのドライバーがMTをドライビングしやすいようにと考えられているのだろう。

2輪乗りの方や4輪のメカチューンを経験した人なら素早い回転落ちのエンジンを体験したことがあるかもしれない。
管理人TomTomの場合は古いお話になるがTE47スプリンターの2TGを1.6Lから2.0Lにボアアップして一通り手を入れたクルマに乗ったことがある。
この時は回転の上がり方も尋常ではなかったが、回転落ちにもたまげたものだ。
なんせタコメーターがストンと落ちる。
こうしたエンジンのクルマをドライビングしようとすると大いに気を使うのだった。
シフトダウンはまだ良いにしてもシフトアップしようとアクセルペダルから足を離すと思っていた以上に回転が落ち込んでいるのだ。
その結果クルマの動きがギクシャクして扱いにくいことこの上ない。

きっと現代のクルマはこうしたことがないように回転落ちをゆっくりにセッティングしているのだろうと想像する。

ミッションの扱い方の違い2輪と4輪

ご存知と思うが2輪と4輪のミッション構造は全く異なる。
2輪はドグミッションと呼ばれる構造のミッションで常時噛み合い式とも呼ばれる。
対して4輪は基本的にシンクロメッシュを持ったものだ(一部の競技車を除く)。

ミッションの構造の違いからドライビング方法に違いが出る。
例えば4輪で言うダブルクラッチはドグミッションでは無意味となる(というかできない)。
ダブルクラッチ自体は、ミッションのメインシャフトとカウンターシャフトの回転を合わせるために行う。
ダブルクラッチで2本のシャフトの回転を合わせるとギアが入れやすくなるという理屈だ。

一般的なトランスミッションの概念図、メインシャフトに付いたギアとカウンターシャフトに付いたギアが噛み合う、この噛み合いをスムーズにするのがシンクロギアと呼ばれる機構(ここには書いてない)なのだ、画像はネット上から拝借

管理人TomTomがラリー現役の頃はミッションを壊さないために常にダブルクラッチを踏んでいた。
それに競技のためにかなり硬めのミッションオイルを入れていたために冷えているとギアが入りにくくてダブルクラッチでなんとか入れていたということもある。
現代のクルマはミッションのシンクロメシュ機構が丈夫になりダブルクラッチを踏まなくても簡単には壊れないようになった。
だから管理人TomTomの場合、今ではダブルクラッチを踏むのはごく限られた場合にのみ行うようにしている。

もう一つ2輪と4輪のシフト操作で異なる点がある。
それは4輪は飛ばしのシフトができること。
つまり4速から2速へ直接シフトダウンすることができる(逆もある)。
これは面倒くさがり屋の管理人TomTomはよく使う。

回転落ちの悪いエンジンのシフト操作は工夫次第

シフト操作の際にエンジンの回転落ちが悪いというのはシフトアップの時のことだ。
例えば2速で引っ張って3速に入れる際に、アクセルを抜いているのにエンジンの回転はなかなか落ちてこない。
こうした時にはスポーティーなドライビングをしようと思っているのにガッカリな気分になってしまう。

だがモノは考えようだ。
シフトアップの際に管理人TomTomは以前にも書いたように一呼吸おいてシフトを行う
気持ち的にはシフトレバーが自らゲートに入っていくように手を添えているような感じと言えば分かるだろうか。
こうして一呼吸をおいてシフトアップを行うのだが、それでもまだエンジンの回転数が狙った回転数に落ちていない。
その時は発進時の半クラをイメージしている。
落ちきらないエンジン回転の状態の時にシフトアップしてギアは入れた、残るはクラッチのミートだけとなっている状態だ。
この時に半クラをイメージしてクラッチを繋ぐようにしている。
通常の半クラッチとは逆の状態だ。
管理人TomTomの場合はこうしてシフトアップ時の一連の操作を完了させている。
こうすると落ちきらないエンジン回転が気にならなくなる。
なんせクラッチをゆっくりと繋ぐだけだから…。
S660ミッションのドレーンプラグ

クラッチ操作は丁寧にトルク変動を極力排除

こうしたシフトアップの際にクラッチをスパッと繋ぐのが理想だと思うが、管理人TomTomの場合はスパッと繋ぐのはほとんどやらない。
何故かと言うと、急激なトルク変動を嫌うからだ。
シフトアップの際も、シフトダウンの際にもそろーっとクラッチをミートするようにしている。

急激なトルク変動をクラッチを使用して行わなければならない時というのはイロイロある。
例えば上りでギア比が合わない場合に、俗に言う「クラッチを蹴る」という操作をする場合もある。
逆に下りで姿勢変化を行う際には回転を合わせずにクラッチミートをする場合もある(シフトロック)。
要するにどのようにドライビングしたいか?によってクラッチミートの仕方を変える。

こういうことで管理人TomTomは普段はかなりゆったりとクラッチを繋ぐようにしている。

ダウンヒルのように素早いシフトとクラッチミートが必要な場合もある

平地や上りではゆったり目にシフト操作とクラッチミートを行うのだが、素早く行う場合もある。
それはダウンヒルの時だ。

ダウンヒルの際にはギアがどこにも入らずクラッチも繋がっていない時間を極力短くしたいと思っている。
だからこの時はシフトが自らゲートに入っていくのを待つのではなくスパッと放り込む。
その時に多少ゴリゴリとなっても目をつぶることにしている。
これは主にダウンヒルのシフトアップの時のこととなる。

一方ダウンヒルのシフトダウンの際には細心の注意が必要だと思っている。
前述した急激なトルク変動を駆動輪に与えたくないからだ。
例えば3速から2速にシフトダウンするとしよう。
その時ブレーキングと同時にブリッピングして(ヒールアンドトー)素早くギアを2速に送り込む、同時にクラッチミートはかなり慎重に行う。
そしてこれまた慎重にブレーキをリリースしていくようにしている。
ダウンヒル時は特に全体的に急な操作はご法度なのだ。

ミッションの変速動作とクラッチミートは別のお話

ここまで書いてきたようにミッションを次のギアに入れる際の一呼吸というのはミッションのシンクロナイザーに仕事をする時間的余裕を与えるということ。
ミッションを次のギアに入れることができれば、ミッションに関してはミッションコンプリート!なのだ。

この次に待っているのはクラッチミートだが、これはミッションの操作とは全く別のお話になる。
クラッチをミートさせる時にエンジンの回転数が落ちていないとか落ちすぎているという時にはブリッピングして回転を合わせるか半クラッチを使用すればよい。
だからシフトアップの際の回転落ちが悪いエンジンの場合にはクラッチミートを半クラッチのように繋げば良い。
ここで回転落ちを待つ意味は無い。

管理人TomTomの場合は夏場エアコンを掛けたまま峠を走ることが多い。
エアコンを掛けた状態の時はエンジンの回転落ちが意外と早い。
この時はこの時でシフトアップ時の操作に気を使うことになる。
いろんな場面に柔軟に対応できるように練習するしか無いと思う。

シフトの操作方法は「操作方法:シフト」を参照してほしい。

ヒールアンドトーは「ヒールアンドトー」のカテゴリーを参照して欲しい。

クラッチ操作は「クラッチ」のカテゴリーを参照して欲しい。

今回はこのへんで
では