洗車してみて分かったS660と水の関係 水が入らないのはキャビンだけエンジンも例外ではない

管理人はS660に乗っているのだがこの車、軽自動車のくせになかなか手ごわい。
最初に手強いと思ったのが内装の分解だ、まるで各パーツが小さなパズルだった
次にタイヤホイールの交換だ、リアのクリアランスが極小でホイールをかなり選ぶのだ
今回はS660がやってきてから2回めの洗車だが普通の車と洗車した時の様子が異なるのだ。
このS660はキャビン以外は水に濡れるという前提で作られているのだった。

S660の洗車:やっときれいになったS660

雪が多かったこの冬

管理人TomTomの住む兵庫県南部の東の端っこでは雪が降るのは珍しい、雪が積もるのはさらに珍しい。
だが今年は雪の降る日が多く積雪のために行く手を阻まれたことが多かった。
こんな冬は初めてだ。

↓ 雪の影響でドロドロ状態のS660のフロント部分。

S660の洗車:汚れに汚れまくったS660のバンパー

こんなことでS660は汚れに汚れまくっていたのだった。
管理人TomTomは車が汚れるのはそれほど気にならないのだが今回は早く洗車したくてしょうがなかった。
そこで休日に時間が取れたのでS660を洗車したのだった。

洗車するとその車の各部をよく観察できる。
すると面白いものを発見することが時々あるのだ。

↓ 汚れに汚れまくったS660のサイド、ウーンきちゃない…

S660の洗車:汚れに汚れまくったS660のサイド

S660の洗車は楽ちん

今まで乗った車でS660は洗車が一番ラクな車だ。
そもそも軽自動車でミッドシップ2シータのS660は小さく低いので洗車の時にどこにでも手が届く。
洗車した後に車内を拭くときにはロールトップを外してしまえばこれまた楽ちんだ。

管理人TomTomはガラスには撥水剤を塗り込んでいる。
こうしたガラスの掃除も実質フロントとサイドのウィンドウのみなのだ。

S660はなんと洗車がらくな車だろう。

S660の洗車:小さいだけに洗車は楽ちんなS660

S660ならではの特殊な構造リアエンジン部分

今回がS660では2回めの洗車だが各部を観察していてこの車は普通とちょっと異なる洗車事情があることを確信した。

それは何かというとS660はキャビン内部以外は水濡れすることを前提に作られているということだ。
キャビン以外ということはフロントのラゲージ、リアのエンジンルームについても内部が水で濡れるということだ。
しかも上から水がかかることを前提としているのだ。

通常の車だとエンジンルームというのは少なくとも上からは水がかかることはない。
エンジンルームの下は開口しているので下から走行中に水を巻き込むということはあり得る。
しかしS660は上部に開口部があるので上から水をかぶるということだ。
S660を初めて見た時はもう少しエンジンルームの水対策はしてあるのかな?と思っていたがそうではないらしい。
つまりエンジンフード上の開口部から入った水はそのままエンジンにぶっかかるという事だ。

S660のエンジンフードのスリットからホンダの文字が見える

水の侵入口は開口部だけではなくフードとリアのボディーの隙間からも盛大にエンジンルームに侵入する。
また下がスカスカなので走行中に巻き込んだ水はそのままエンジンルームを大いに濡らしてしまうだろう。
こんなことを考えながらエンジンルームを眺めてみたが各パーツが特に防水対策がしっかりなされているようには見えない。
だがこれはそれほど問題がないのだろう。

↓ S660のエンジンルームは上から水がかかることを前提とした作りとなっているようだ。
スリットの入ったエンジンフードは実質水が入り放題、だからエンジンのカバーなんかは非常に重要な働きをしているので取り去るとマズいだろう。

S660の洗車:S660のエンジンルームは水が上からかかることが想定されている

S660はフロントも水が入る

S660はリアのエンジンルームだけではなくフロントのラゲージスペースについても水が入る。

洗車なので車の下からは水をかけない。
なのに水をかけた後にフロントフードを開けると内部がベチョベチョなのだ。
よく観察してみるとワイパーの下にはプラスティックのトレー状のカバーが有り、そこには水抜きの穴が開いている。
当然その穴には水が流れることになるのだが流れる先はヒューズボックスだったりバッテリーだったりする。
普通は水が流れる経路が設定してあり下に落ちるようになっているがS660はそれがなく部品を直撃する。
もちろんステアリングギアボックスなんかの機構部品やストラットの頭も水濡れする。

またフロントにはロールトップを格納するボックスがあるが、コレ自体も防水構造ではなく下から水を食らうと浸水しそうだ。
赤いフックで固定する蓋の部分も頼りない構造だ。
濡れたり熱くなるとマズいものはこのボックスに入れないほうが良さそうだ。

さらに見てみるとフロントもリアも水の侵入を食い止めるウェザーストリップ類は一切ない。
唯一例外はフロントボンネット先端に付いたゴムだがコレは正面からの水を防ぐだけだ。

こうして見ると水が侵入しないのはキャビン部分だけだ(ロールトップを閉めた状態という前提だが)。
S660はこうした割り切りが凄い。
かなりストイックに作り込まれた車だと思う。

↓ ワイパーの前に水抜きの穴が開いているのが分かる、ここから水は入り放題なのだ。
走る方は頑張ったからココは割り切ったようだ。

S660の洗車:S660のフロントのラゲージも水がかかるということが前提となっている

S660の設計思想が分かってきたような気がする

管理TomTomは水対策でこんな割り切った車は初めてだ。
今まで様々な車に乗ったがエンジンルームはある程度の水濡れ対策がしてあった。

だがS660はフロントラゲージもリアエンジンルームも全く水濡れ対策がない。
水がかかるならそれをあえて受け止めようという潔い姿勢なのだ(苦笑)。
水対策をするにはコストが掛かりすぎるというのがホントのところだと思うのだがある意味すごい。

これではフロント、リア共に何かが錆びたとかということを気にするレベルではない。
水がかかるという前提だけに錆びるのも前提ということだ。

管理人TomTomが思うに水濡れによる錆よりも熱対策を優先したということだろう。
とするとエンジンフードのスリットは水の侵入を防止するために塞いではならないということだ。
それほどS660のクーリングはシビアだということだと思う。

S660は小さいくせにこうしたところがヘンコでストイックなある意味大変な車だ(苦笑)。

リスクを押し切って発売されたS660に拍手

洗車しながらS660についてこんなことを考えていたのだった。

S660には走りの性能もそうだが、それとは別にコストの制約がありこうした割り切りがある。
この部分は走りの性能を優先したために自動車メーカーにとってはリスクになる部分だ。
管理人TomTomがもしホンダの経営者だったらこんなリスキーな車は発売しなかったかもしれない。
それを押し切って軽自動車として出してきたということ自体が拍手喝采ものだ。

管理人TomTomはそんなレアな背景を持ったS660に乗れることを幸せに思うのだった。

今回はこのへんで
では