今さらながらZC33SスイフトスポーツとNDロードスターRFに試乗してみた

前回に引き続き今週末も2台のAT車を試乗した。
1台はZC33Sスイフトスポーツ、もう1台はNDロードスターRF。
両車とも発売されてからしばらく時間が経過したクルマたちだ。
価格帯や基本構造は全く異なるが一般的にはスポーティーなクルマたちだ。

ZC33Sスイフトスポーツは管理人イチオシ

まず最初に乗ったのはZC33SスイフトスポーツのATモデル。
以前、管理人はZC31SスイフトスポーツのMTモデルに乗っていたことがある。
その際にビックリしたのがボディー剛性が高いこと、そしてドライビングしていて非常に楽しい車だった。
セントラルサーキットへも時々持ち込んで走っていたがエンスーなクルマだった。
惜しいことにZC31Sの1.6LのNAエンジンは、ごくごく普通で面白くもなんともなかった。

管理人にはそういう刷り込みがあるという前提だが、冷静にZC33SをZC31Sと比較してみると次のような感じだろうか。
・車重は軽くなりATモデルでも1,000kgを切り990kgしかない
 モデルチェンジすると重くなるものだが逆に軽くなっているのにはビックリ
・エンジンは1.6LのNAから1.4Lターボになった
 回らないエンジンだがトルク感が凄い
・ATはトルコンの6速
 CVTでなくて良かったと思えるトルコンAT
・価格は少しだけ上昇
 安全装備が入って軽くなっているのにもかかわらず上昇額は少しで庶民の味方だ
・他メーカーではオプションとなるような安全装備が最初から付いている
 例えばブラインドスポットモニターやリアクロストラフィックアラート等

乗り込むと懐かしい空間だと思った、なんだか慣れ親しんだ部屋に戻ってきたような感じ。
車内は基本的にZC31Sの時代からそれほど変わっていない。
車内の質感は値段を考えるとそれなりだ。

ZC33Sスイフトスポーツのインパネ。高級感は無いがそれなりに楽しめるインパネで不自由なところも無い。スイフトスポーツにはアイドリングストップは装備されない。
ZC33Sスイフトスポーツのインパネ。高級感は無いがそれなりに楽しめるインパネで不自由なところも無い。スイフトスポーツにはアイドリングストップは装備されない。
suzuki.co.jp

シートはなかなか良かった、背筋を立てたアップライトなドライビングポジションを正しく取れる。
ステアリングもチルトとテレスコピックで適切な位置に調整が可能だ。
少し違和感があったのはアクセルペダルとブレーキペダルの位置関係だった。
アクセルペダルが高すぎるのでブレーキペダルへ踏み変えるのが難しい。
まぁこれは調整することも可能だろう。

走り出すと第一印象が軽い。
ATモデルだが非常にトルクフルでアクセルペダルを踏んだ量にリニアな加速をする。
その際にはかなり野太い排気音がして勇ましい印象だ。

エンジンは勇ましい音を発しながらトルクフルでスポーティーな印象。
回しても回らないエンジンだが、このトルク感なら回さなくても良いだろう。
ミッションは特段印象が無いので自然なものだった。

走っている際のステアリングの印象は可もなく不可もなくという印象。
味付けとして鋭すぎることもなく鈍感すぎるということもない。
もう少し剛性感があっても良いと思った。

ブレーキは大いにカックンブレーキで微速では非常に気を使うがそれ以外は良かった。
ZC31Sに乗っていた時にはブレーキパッドとフルードを変えるとリニアで耐フェードも良かった。

管理人は嫁さんが試乗している間にリアシートに座っていたが思った以上に快適に過ごすことができた。
実はZC31Sに乗っていた時には後席に走行中座ったことが無かったのだ。

ラゲッジスペースは狭いが普段の買い物等々には全く問題ないレベル。
ひとつ気になったのはスペアタイヤを装備しようとすると37,290円も費用が必要なことだ、ディーラーオプションだからだろうか。
ちなみにヤリスでは14,300円(メーカーオプション)でスペアタイヤを装備できる。

ZC33Sの試乗で感じたことは、やはりハッチバックボディーはつぶしが効く、普段使いとスポーティーさの両立が可能だということを痛切に感じた。
願わくばATモデルでもトルセンで良いのでフロントにLSDが装備できれば言うことなしだ。

ZC33Sスイフトスポーツの外観。典型的なハッチバックで実用性は高い。軽い車重によりトルク感のある加速が味わえる。
ZC33Sスイフトスポーツの外観。典型的なハッチバックで実用性は高い。軽い車重によりトルク感のある加速が味わえる。
suzuki.co.jp

NDロードスターRFは嫁さんイチオシ

ついさきほど試乗してきたのはNDロードスターRFのATモデルだ。
以前にロードスターはNC(RHT)のATに乗っていたことがある。
この時は嫁さんは大いに気に入りいつも乗っていたものだ。

かつて管理人はNCロードスターをATモデルにも関わらずサーキットへ持ち込んで走らせていたが、いくつか不満な点もあった。
まずポジションの問題だ、2シーターではよくあることだが管理人のような旧人類で座高が長大な人には天地の寸法が不足する。
サーキットへ持ち込んでヘルメットを被ると頭が屋根につっかえるのだ…(悲しい)。
それに管理人的には前後のシートスライド量が不足していて冬の分厚い服を着るとスライド量が足りない。
次に気になっていたのが左足が熱くて狭いこと。
これはロードスターがフロントミッドシップであるためにエンジンが後退していてミッションが運転席に食い込んでいることが原因でセンタートンネルが太い。
このことでドライビングポジションが少しだけ制約を受け左足は熱い。
最後にボディー剛性が足りないこと。
普段はあたりが柔らかくて快適なのだが、サーキット等で限界域を攻め込むとリアの剛性不足からボディーが捻れて唐突にリアが出ることがある。
これに慣れてないと非常にビックリすることがあるので要注意な特性だった。
普段でも路面状態が悪い所を走るとRHTがギジギシと鳴って不快だった。

管理人にはこうしたロードスターの刷り込みがある、ということが前提だがロードスターNC(RHT)とND(RF)を比較すると次のようになると思う。
・エンジンは2.0LのNAで同じ、少しだけパワーアップ
 162PS/6,700rpm→184PS/7,000rpm
・硬い屋根が付くのは同じ
 両方とも電動格納式
・ミッションは6ATで同じ
 中身はキャリーオーバーだと思われる
・価格は大幅上昇
 NC最終モデルのS RHTATモデル2,808,000円→NDのSグレードATモデル3,439,700円

試乗車は「VS White Selection」のATモデルで白いレザーシートだった。
その価格なんと¥3,803,800なり…、すごい高級車なのだ。

NDロードスターRFの「VS White Selection」のインパネ。白い本皮のシートが印象的。体が滑るのでイマイチ。
NDロードスターRFの「VS White Selection」のインパネ。白い本皮のシートが印象的。体が滑るのでイマイチ。
mazda.co.jp

乗り込むと昔NCに乗っていた時と全く同じ印象だった。
特に今回はシートがナッパレザーだったので滑りやすく分厚い印象だ。
頭上はあいかわらず余裕がない。
昔不満に思っていた左足も窮屈でセンタートンネルに軽く触れるようなポジションとなる。
これは管理人が以前乗っていたS660よりも左足のスペースは狭い。
やはりシートの前後スライドが足らず一番後ろにしてやっとポジションが取れる。
もっと大柄な人はどうするのだろうかと思った。

エンジンを掛けてみると、これはディーゼルか?と思うほどゴロゴロとした振動と音を伝える。
せっかくガソリンエンジンを選択しているのにこのゴロゴロ感はいただけない。
NCロードスターにはこういうことは無かった。

ステアリングはチルトとテレスコピックが効くのである程度自由度はある。
NCロードスターよりは少しだけ小径になったと思われるステアリングホイールは細くて少々頼りない。
走り出すとステアリングの剛性感はまずまず、リニアな感じのステアリングで自然な印象だった。

アクセルを踏み込むといかにも眠たい印象だ。
ATモデル同士でも同じ2.0Lの旧型BRZには遠く及ばないし、直前に乗ったZC33Sスイフトスポーツよりも加速感が希薄だった。
管理人的にはこの眠たくてゴロゴロするエンジンはNGだ。
ミッションについては特別印象がないので自然な感触だったと思う。
やはりロードスターはMTで乗るのが良いと思った。

ボディーの動きやサスペンションの動きは自然で街中を走っている限りすごく良かった。
前後・左右・斜めの動きがよく抑えられており短いホイールベースの割には非常に良い印象。
ちなみにNDロードスターのホイールベースは2,310mm、NCロードスターは2,330mm、ZC33Sスイフトスポーツは2,450mmとなっている。
お気づきだと思うがNCよりもNDはホイールベースが短い、ZC33Sスイフトスポーツよりも140mmも短い。

管理人的にはこんな印象だったのだが、嫁さんには非常に好評だった。
嫁さん自身が酔わないことはもちろん、非常に楽しく試乗できたと言っていた。
今まで試乗したクルマの中では一番!との評価だった。
人によって同じクルマから受ける印象ってこうも違うのか、と感じた次第だ。

管理人がNDロードスターRFで気になっていることは次のようなこと。
・アダプティブクルーズコントロールが付いてない
 ZC33Sスイフトには付いている(全車速追従が立派)、新型BRZにも付いている(全車速追従)
・エンジンの感触が悪い、ガソリンNAなのにまるでディーゼルのようだ
 ディーゼルのような感触なのにトルク感もない、回転の上がり方も鈍い
・交差点の右折時にアイドリングストップが発動する
 せめてウィンカーを出している間はアイドリングストップをストップが良いのではないか
・価格が高い
 一番安いSグレードのATモデルでも3,439,700円もする、新型BRZの安い方のRのATモデルは3,245,000円だ

かつて乗っていたNCロードスターはトランクがあるので2名乗車という制約はあるが普段使いも意外と問題なかった。
NDロードスターRFも同様で意外と実用性があると思う。
普通に乗るにはエンジンの感触以外はなかなか良い。
体格によるドライビングポジションが合えば良いが、合わない時は
ただ価格が非常に割高感があり躊躇するのが玉に瑕という感じだろうか。

NDロードスターRFの「VS White Selection」の外観。ZC33Sスイフトスポーツよりも短いホイールベースなのにフラットな乗り心地だった。
NDロードスターRFの「VS White Selection」の外観。ZC33Sスイフトスポーツよりも短いホイールベースなのにフラットな乗り心地だった。
mazda.co.jp

試乗はひととおり終了

候補としてピックアップしたクルマの試乗はほぼ終了。
いろいろな可能性を考えているのだが決定的なものは無いというのが正直なところ。

意外にも最後に嫁さんと意見も割れてしまったのは我ながら面白い。
人によって感じるところは千差万別ということを痛感した次第。

今のところ現在乗っている旧型BRZをそのまま乗ることになるだろうと思う。
そうなるならば、どこかしらリフレッシュしたいものだと思っている。
足回りとかタイヤホイールとかを変えると気分も一新できるだろうと思う。

今回はこのへんで
では