S660のETCセットアップに片道150km走る S660の第一印象とアクセルペダルを調整

前回書いたように土曜日にS660を納車引き取りして、午後から機器類の取付け、日曜日も取付け、月曜日も朝のうちは取付けとなってしまった。
都合丸二日程度かかっている計算でS660の電装はなかなか手強かった
月曜日の朝に取付けが一応済んだのでETCのセットアップに行くことにした。
それも片道150kmである、テスト走行にしてはタフな行程である。
取付でヘロヘロに疲れた状態で往復300km走った感想を書いてみたい。

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体調悪い時はあかんかも? S660

ナビ等の取付けに月曜日の10時までかかり管理人TomTomは疲労困憊の状態だった。
といっても年なんで徹夜をしたわけでは無く朝のうち3時間ほど仕上げの作業を行った。
念のために言っておくと土曜日が納車と作業、日曜日は作業、そして月曜日は試運転のツーリングを予定し元々休みを取っていたのだ。
取付作業のせいで疲労困憊状態であったが往復約300kmを走った訳だ。

結論から言うと、

S660はノーマル状態でも乗り手に体力と集中力を要求する、

ハードな車だ。

一言で言うと競技車両のような感じと言ったらよいだろうか。
体調が悪い時には乗らない方が良いかもしれない。

S660の乗り心地

S660についてはまず第一にその乗り心地の事を書かねばなるまい。
ハッキリ言ってここまで車両全体がここまでハードだとは思っていなかった。
管理人TomTomにとってはこれはうれしい誤算であり求めていたものだ。
S660を購入後に半年ほどで手放してしまう人が多いのもうなずける。
それだけ乗り手を選ぶ車という事なのだろう。

S660ノーマルサスペンションの印象

S660のノーマルサスペンションはコツコツと細かいギャップを拾い、絶えずボディーをゆする。
ノーマルでこれほど印象の悪いサスペンションは今まで出会った事が無い。
というのがS660のサスペンションに対する第一印象だ。
これが馴染んでくるとどうなるかが少し楽しみではある。

ピッチングが出る

コツコツ感が公道上では少々逆効果になっていて前後のピッチングが酷い。
絶えず前後にゆすられるので今までにない感覚を味わえる(苦笑)。

峠道に速度抑制のシマシマ模様が施されているところがあるがこうした場所を走るとピッチングが顕著に出る。
だがピッチングが酷く出たとしてもそれで姿勢を乱すとかという事は無い。

乗り心地

体感上の乗り心地はかなり酷い。
ガチガチに固めた競技車両を少しだけ減衰を緩めて乗っているような感触なのだ。
これはかなり体にダメージを与える(疲れてしまう)。
作業で疲労困憊の体には初日から結構きつかった。
S660には体調を考えながら乗る必要があると思う。

S660のステアリングの感触

サスペンションは酷い乗り心地だがそのステアリングの感触は素晴らしい。
初期の応答性が非常に良くて少々過敏なほどだ。

惜しいのは全域にわたってステアリング操舵力が軽すぎる事で回しすぎるきらいがある。
特に高速域や高回転域では重くして回しすぎることを抑制するのが良いかもしれない(これはメーカーへ改善希望)。

こうした特性を持つのでラフなコーナリングになりがちではある。
それだけにステアリングの切り込みに大変気を遣う。
コーナーのアプローチでは本当に最小限の切り込みを行うように意識する必要が大いにある。

速度域の高い道路では絶えず修正舵が必要となり大いに疲れる。
こうした部分もまるで競技車両のようだ。

ステアリングを通じて感じ取れる情報量は多いがキチンと荷重を掛けてやらないと伝わってこない。
キチンと荷重さえ掛けてあげればタイヤの状態と路面の感触が伝わってくる。
こうしたところはミッドシップなんだなぁと感じるところ。

S660のドライビングポジション等

S660は乗り心地も酷いがドライビングポジション等もかなり酷い。
ポジション自体は正しく取る事はできるが調整幅がミニマムな印象だ。

シートは要交換

S660のノーマルシートは見栄えはなかなか良い。
だがノーマルでは取付位置が高すぎて座高高いオッサンには頭上空間がミニマムとなり頭をぶつける。
ノーマルシートでもポジション下げは必須だろう。
今回はノーマルシートだがポジションを2cmほど下げた状態だ。

ノーマルシートで決定的なのは腰のサポートが弱いことだ。
もう少し腰の部分がしっかりしていれば良いのにと思った。
乗り始めなのでシートに対する体の入れ方が分からずイロイロ走りながら試してみている。
いずれのポジションでも腰の部分が少々頼りないのと腰の部分の幅が少し不足だと思う。

できれば出来の良いフルバケットシートに交換してしまうのが良いと思う。
ただし乗り降りに関してはノーマルシートでもオッサンにはどっこいしょとなるのでフルバケットシートではさらに苦労するのが目に見える。
彫りの浅いフルバケットシートがあればベストだ。

背中が熱い

この季節(外気温が15度までくらい)なのに室内では結構暑い思いをする。
これはなぜなんだろう?と思ったのだが背中のバルクヘッドには遮熱材も遮音材も入っていないのだ。
だからうるさくって暑い車なのだ。
こうした具合だから今までになく窓を開けて走る割合が増えた。
今から夏が思いやられる。

アクセルペダルが低い

S660のペダル配置は全体的にまずまずな印象だ。
峠を軽く走ってみるとヒールアンドトーがやりずらい。
なぜか?と考えてみるとブレーキペダルよりもアクセルペダルの位置が低いせいだ。
帰ってきてアクセルペダル部分を観察してみるとユニット自体は3本のボルトで止まっているだけだ。
これなら改善の余地はあるだろう。
これは後で詳細を書きたい。

ドライビングポジション

上記のように細かい部分はイロイロあるが全体的には良く出来ている。
1つだけ言うとすればステアリングが遠い事だ。
テレスコピック機構が付いていると調整幅が広がって良いだろう。

剛性感

本当はボディーについては別途書きたいがまだ走り出したところなのでとりあえず第一印象はこんな感じだ。
かなりボディーの剛性感は高くて捻じれたりヤワな感じは全くしない。
そうかといってガチガチというわけでもなく少しだけタメが効く感じ。
ボディーの剛性には全く不満を感じなかった。

S660の音

S660の音はノーマルでは外から聞くと大人しい。
しかし中から聞くと凄いのだ。
ただし管理人TomTomは車の音関係(吸気音や排気音)にはこだわらないのでその旨を考慮に入れて読んでほしい。

車内の音

これもまるで競技車両のようだ。
パワートレインの音がまともに入ってくるので常時うるさい。
エンジンだけでは無くミッションの音もする。
オーディオなんて聞く気になれないくらいなのだ。
走り出すとこれならオーディオを聞かなくても良い!という気持ちになる。

エンジンノイズ

外から聞くとかわいいカラカラ音がして軽自動車という感じでげっそりする。
後部の窓を閉め切り室内で聞くと面白いことに気付く。
それはある程度回すとメカノイズが素晴らしいことだ。

ある意味マニアックな音の出し方をしていると思った(吸排気では無いところ)。
固いエンジンマウントを装備したエンジンが発するメカノイズという感じ。
この固いエンジンマウントというのはパワートレインのスナッチが非常に少ないことでも良く分かる。

スナッチと言うのはアクセルのオンオフの際にエンジンやミッションが揺れる事を言う(エンジンマウントが柔らかい)。
FFの車でスナッチが激しい車はアクセルのオンオフの際にエンジンが揺れてトラクションが掛からないという事もある。
S660の場合もFFと同じ横置きなのでこの影響が出る。

吸気音と排気音

管理人TomTomは前述のように吸気音や排気音にはこだわりがある方では無い。
S660の吸排気音はオマケのような感じだと思った。
吸気はほとんど音がしない。
その代りポップオフバルブがかすかにプシューと音がしている。
これくらいの音量で良いのではないだろうか。
音が大きすぎるとうるさいと感じる事もあるだろうと思った。

排気音はハッキリ言って良く分からないし乗っていると聞こえていないと思う。
車を降りてアイドリングしている際にはこれまた小さな音でプロプロと排気音がしているのがかわいい。
吸排気系はノーマルのままで十分だと思った。

S660のエンジンの感触

最後になってしまったがS660のエンジンについて感じたことは意外といけるやん!という事だ。
管理人TomTomが初めて軽自動車を購入したという事もあり、ある意味諦めていたことがある。
それはアクセルを踏み込んでいった際のクォーーンという伸びの部分だ。
この伸びと言うのはコーナーからの立ち上がり、直線、平地もあれば登りもある。
なんせ軽自動車だし、64psしかないしということでS660に乗る前にはそういったところでクォーーンという伸びを諦めていた。

しかし実際に乗ってみるとそうでもない。
キチンとトルクバンドに入ってしまうと伸びる感じが凄く良く出来ている。
回転感もあるし逆にトルク感もある不思議な感触なのだ。
そして実際に車は前へ進む。

まだ慣らし中なので4,000rpm縛り(一瞬5,000rpm)としているので改めてエンジンについては書いてみようと思う。

アクセルペダルの改善

これは個人差があると思うので参考程度に読んでいただきたい。
前述のようにS660のアクセルペダルは管理人TomTomにとってヒールアンドトーがやりずらい。
原因はアクセルペダルとブレーキペダルの高低差がある事だ。
それを改善したので記録。

たぶん管理人TomTomの場合は加齢と共に各部の柔軟性が失われつつあると思う。
だから足首もひねりが足りないのかもしれない(悲)。

いつもそうだがブレーキペダルは弄りたくないのでアクセルペダルを弄る事にする。
アクセルペダルを観察すると3本のネジで固定されているのみだ。
試しに緩めてみるとなんとかなりそうだ。
対策としてはアクセルペダルを少しだけ上向きにする。
そのために下部のボルトにワッシャ―を挟んで上向けるのだ。

簡単な作業なので必要があれば参考にして欲しい。
また以前に書いたペダルの調整方法はこちら

ノーマルのアクセルペダルは下の画像のように前バルクヘッドにボルト3本で固定されている。
隠れて見えないがユニット右側にもボルトが1本ある。

S660のアクセルペダルは3本でボルト留め

下の画像はボルトを外してアクセルペダルユニットを取り外したところ。
アクセルユニットに繋がっているケーブルは外さなくても良い。

S660のアクセルペダルを取り外したところ

シートの微調整でも使ったようなワッシャをかましてアクセルペダルを上向きにする(ブレーキペダルとの段差を少なくする)。

S660のアクセルペダル調整、ワッシャをかまして上向きにする

ワッシャをかました状態でナットを締め付ければ完成。
このアクセルペダルのボルトはあまり長さが無く分厚いワッシャを入れるとナットの掛かりが少なくなるので注意が必要。

S660のアクセスぺダルにワッシャをかまして完成の図

S660の新車時の感触は誤解されそうな感じ

S660を購入してすぐに受けた印象を書いてみた。
正直に言うともう少しソフトな万人受けする車だと思っていた。
だが実際のS660はまるで競技車両のようなストイックな車に仕上がっている。
走る事を追求するとこういった車になるのだなぁと感じた。
ただしこれはS660のMTでのお話だ。

S660を万人受けする車だと思って購入すると後悔する事になりそうだ。
これから購入する人は心して掛かるべし。

今のところ管理人TomTomはまるで競技車両のようなS660に 狂喜乱舞 である。
このストイックさにホンダの本気度を感じるのだった。

今回はこのへんで
では