自動車の自動運転についてちゃんと考えてみる 最近急激に前へ進んだような印象

東京モーターショー2015もそうだったが最近は自動運転の話題が多い。
管理人も自分なりの考えを以前に書いたが自動運転・白タク解禁・高齢化・地方の交通というキーワードだった。
地方の高齢化に伴う足の確保には自動運転や白タク解禁は大きな助けになると思うのだ。
今回は自動運転そのものをちょっと真面目に考えてみた。
Googleの自動運転車

そもそも自動運転の定義ってなんだ?

自動運転の定義には段階がある。内閣府が発表している資料を見てみると次のようになっている。

経緯・意義
平成 25 年に閣議決定された「世界最先端 IT 国家創造宣言」では、「2018 年を目途に交通事故死者
数を 2500 人以下とし、2020 年までに世界で最も安全な道路交通社会を実現する」 そして、このために
「車の自律系システムと車と車、道路と車との情報交換等を組み合わせ、2020 年代中には自動走行シ
ステムの試用を開始する」とされている。この国家目標を達成し、世界一の道路交通社会が実現すること
によって得られる価値は社会的にも産業的にも大きく、世界に対するわが国としての貢献に資すると考
えられる。

つまり安全な自動車の運行を目指すことで交通事故死者を少なくするという内容だ。

さらに具体的な戦略は次のようになっている。

① 交通事故低減等 国家目標の達成
車・人・インフラ三位一体での交通事故対策を実行する技術基盤と実行体制を構築し、交通事故
低減等国家目標を達成する。
② 自動走行システム*1)の実現と普及
ITS による先読み情報を活用し、2017 年までに準自動走行システム(レベル 2)、2020 年代前半に
準自動走行システム(レベル 3)を市場化する。さらに 2020 年代後半以降に完全自動走行システム
(レベル 4)の市場化*2)を目指す。これにより、現在の自動車業界の枠を超えた新たな産業創出を図る。
③ 東京オリンピック・パラリンピックを一里塚として、東京都と連携し開発
2020 年の東京オリンピック・パラリンピックでは一里塚として、東京の発展と高齢化社会を見据えた、
わが国の次の世代に資する次世代交通システムを実用化する。これをもとに、交通マネジメントとイン
フラをパッケージ化した輸出ビジネスを創出する。

キーワードとしては「交通事故低減」「自動走行システム」「ITS」「2020年」といった具合だ。

さらに期待できる効果として次のものを上げている。

① 交通事故の低減
② 交通渋滞の緩和
③環境負荷の低減
④高齢者等の移動支援
⑤運転の快適性の向上

まさしく自動車を高齢化社会の基礎的なインフラに置いているという事が分かる。

自動運転の段階

この中で自動運転にはレベルを4段階に設定し定義をしている。
レベル、概要、実現するシステムの順で記述する。

レベル 1

加速・操舵・制動のいずれかをシステム*5)が行う状態
安全運転支援システム

レベル 2

加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う状態
準自動走行システム/自動走行システム

レベル 3

加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態
準自動走行システム/自動走行システム

レベル 4

加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態
完全自動走行システム/自動走行システム

注釈

ただし、いずれのレベルにおいても、ドライバーは、いつでもシステムの制御に介入することができる。

現在の自動運転の段階は?

自動車メーカー各社が盛んに自動運転のデモ走行をしているが現在はどの段階なのだろう。
現在はレベル3というとこでまだまだ完全ではないが一応実現しているのではないかと思われるのだ。

これは意外と進んでいるような印象がある。

自動車メーカー各社の動画を見ていてもシステムがお手上げ状態になった時にドライバーが的確な手動運転をしなければならない。
これがどのようなタイミングで来てしまうのかというところに不安が残る。
トヨタの自動運転実験

究極はレベル4だが使用目的により分けても良いだろう

管理人TomTomは自動運転は2つに分けて考えてみてはどうかと以前書いた。

地方の高齢者の足としてのレベル4の実現

つまり自動運転を必要とする場所と事情がある場合はレベル4を実現する。
これは主に地方の過疎地域で高齢者の足としての利用が想定となる。
以前提言した自動運転と言う電車としての利用だ。

都市部の交通事故低減のためのレベル3の実現

都心部での自動運転はレベル3を実現して交通事故を減らす方向だ。

オリンピックでは

政府としては2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは完全な自動運転のレベル4を内外に発表し実際に運行してアピールしたいだろう。
ここは国を上げての取り組みとして進めないと間に合わないが一つのマイルストーンとして設定している。

インフラも絡む

ITSをはじめ今回の自動運転にはインフラとの関係が欠かせない。
これにはあらゆる技術が絡んでくる。センシングは当然としても通信や画像解析、それにマンマシンインターフェース等も関係してくる。

ひょっとしたらこのITS等の機能を実現するためのインフラ整備でちょっとしたITと建設のバブルがやってくるのかもしれない。
トヨタの「ITS Connect」に必要な道路インフラ

福祉も絡む

高齢者を対象とした移動手段として見るとその運用は福祉行政も巻き込んで考えざるおえない。
もちろん車いすに乗った方や寝たきりの方も対象になる。

こうして見ると自動運転と言っても一筋縄ではいかない事が分かる。

エネルギー問題も絡む

つい先日、出光とシェルが経営統合するという事で化石燃料がさらに淘汰の時代と書いた。
出光とシェル

ガソリンスタンドの問題

自動車の燃費が良くなるとますますガソリンスタンドの数が減ってしまう。
ひょっとしたら必要な場所にガソリンスタンドが無い事も考えられるようになってくるだろう。
現在でもかなりガソリンスタンドの淘汰が進んでいるがさらに進むのだ。

完全にEV等に移行したのなら良いのだがそれにはこの先まだまだかかるだろう。
そうなると総合的にガソリンスタンドの配置を考えて行かないと不足する事態が発生すると思うのだ。
ガソリンを補給するのに何十キロも走らないとガソリンスタンドが無いという事になっては困る。

充電ステーションの問題

この先EVやPHVも増加していくのは間違いない。
自動運転を実現するにはこちらの整備も進めて行かないと片手落ちとなる。

もう少し先の事だと思っていたがすぐそこだ

自動運転なんて映画の中での事だと思っていたがこうしてまとめてみると実現はすぐそこに迫っている。
技術面ではかなりの進歩があり実際に都心で走らせることができる段階なのだ。

しかし今は地方の時代だ。
都市部だけでは全く片手落ちだしユーザーの事を考えていない事になる。

しかも超高齢化時代がやってくる。
管理人の自宅にもそのうちに自宅に無人の車が迎えに来てデイサービスに連れて行ってくれるのだろうか?

今回はこのへんで
では