S660の2回目の1年点検を受けた 2年乗ってみたS660の感想をまとめてみる

先日S660の1年点検に行ってきた、2回目の1年点検なのでS660を購入してから丸2年が経過したことになる。
たぶんS660って乗り初めの最初の半年が分かれ目となるのではないだろうか?
その間にS660の良いところを見いだせなければ乗り換えとなるだろう。
逆に、その間に改めてS660に惚れ直したということになると長く乗るということになるのではないだろうか。
そんなS660って評価が真っ二つに別れてしまう妙なクルマではある。
かくいう管理人も、最初はイロイロと不満があったが、慣れてきたり改善したりして不満点は少なくなってきた。
S660に乗り始めてのちょうど2年という節目に感じることを書いてみた。

使い勝手が非常に不便なだけに他のクルマとは違う感覚

管理人TomTomが思うにS660は使い勝手が悪すぎて、逆に言えば走ることに徹しきるために他のクルマとはかなり感覚が異なると感じる。
これってどこかで感じた感覚だなぁと思っていたが、やっと思い出した。
それは競技車の感覚とよく似ている。

S660で行く熊野と紀伊半島、那智勝浦あたりの小さなトンネルにて

競技車(ナンバー付き)って文字通り競技に出たり練習したりするのを1番の目的としたクルマだ。
だから日常使いの事は考えていない事が多い、一言で言うと日常使うには不便極まりない。
深いバケットシートが付いていたり、クラッチが重たかったり、車内の音がひどかったり、乗り心地が悪かったり…、上げていくとキリがないだろう。
特に若い頃はクルマを2台持つ余裕もなく、こうした競技車を普段の足にもしていた。
今になって思い出してみると、当時は競技車を普段使いにすることをなんだか楽しんでいたフシがある(ちょっとM的だ…)。

これを現在のS660に当てはめてみると、大いに感覚が似ていると思う。
S660に関しては不便を通り越して、あきらめみたいな感覚がある。
だから1人でしか乗らないし、真夏のドライビングにはOS-1を持参したりする

下はどうせ一人しか乗らないのだからとS660の助手席に取り付けたスパイダーネット。

S660助手席にスパイダーネット設置

競技車に乗っていたときもそうだったが、S660に乗る際にも自分の体調や精神状態を考慮する。
要するに、自分のコンディション(体力的にも精神的にも)が良くないと乗れないクルマだと思っている。
管理人TomTomはレストアされた古いクルマにはほとんど乗ったことがないが、こうしたクルマ達に乗る際にもこうした感覚なのかもしれない。

S660は素性が良いと感じる数少ないクルマ

思い返せば1年前にもS660に対する感想を書いている

管理人TomTomのS660に対しての感想は、粗削りで不満点も多いが素性の良いクルマという認識だ。
素性とは定義が難しい言葉だが、基本的にはよく出来ているという感じだろうか?、つまりベースとしてのクルマがしっかりしていないとあかんという事だ。
素性が悪いクルマだと、いくら弄ったり改造しても自分の思ったようにならない。
どちらかと言うとエンジンそのもののようなことではなく、ボディーに起因することが多いと思う。

下は個人的にはオープンは好きではないのでハードトップを装着の図。

例えばボディ剛性、これは難しい問題であることは間違いない。
ボディ補強はやったことがある人は分かると思うが、ボディ補強することによって全く別のクルマになってしまう。
そしてボディ補強と言っても、それこそいろんな物がある。
ボルトオンで装着できるブレーズのようなものもあるし、本格的にやろうとすればスポット増しというのもある。
さらには溶接でガゼット等を溶接してしまうというモノもある。
いずれにしてもボディ補強はクルマ自体が重くなるのは避けれない(ここが悩ましいところ)。

最近のクルマはノーマルでも基本的にボディ補強の必要性を感じないだけの剛性を持っている。
管理人TomTomはS660について購入前にこれを心配していた、それはオープンボディだからだ。

全く別のお話だが、友人が同じホンダのS2000に乗っている、このクルマのボディ剛性は素晴らしいと思う。
乗った瞬間に、硬いというか捻れないというか、オープンボディなのに!なんだこの剛性感は!!と感じた。
S660を購入するにあたって、この時のS2000に対するホンダの考え方がS660にも生かされていることを期待した(一種の賭けだった)。
ちなみにS2000はエンジンも大変素晴らしいクルマだ。

友人のS2000をマイガレージに収めたところ

管理人TomTomはオープンボディのクルマを選択することはできるだけ避けているが過去にNCロードスターには乗ったことがある。
この時は、あぁ~失敗した!と感じたものだ。
NCロードスターは、まるでボディの剛性が出ておらず、特にリア側が捻れてサスペンションが仕事をしないのでガッカリしたものだ。

ロードスターでセントラルサーキットを走る
S660はそんな生涯2台目のオープンボディだったので非常に心配だった。
その結果はどうだったかと言うと、S660はS2000ほどではないがボディ剛性については全く不安がない。
ガチガチという感じでも無いのだが、攻め込んでいっても不安を感じない丁度よい感じになっている。

あくまでもこれはストリートでのお話なのでサーキット等では別のお話となる、

良い素性の土台に自分好みに味付けするのは至福の時

そのクルマ本来が持っている素性が良いことは後につながる。
素性の良いボディー等々をベースとして自分好みにパーツ交換していくと、思ったクルマに近づけることが容易だ。
こうした事を考えて弄っている時は、自分にとって大いに至福の時間だ。

管理人TomTomの場合、自分の感覚に合わせるために身体が触れるところから始めた。
ペダルの調整だったり、フルバケットシートの導入&ポジション調整だったりだが、今は一段落していて慣れるフェーズだと思っている。

下はS660にBRIDE「A.i.R.」を導入したところ、BRIDE「A.i.R.」はかなり寝ているシェルなのでポジション出しに非常に苦労した。

S660にBRIDE「A.i.R.」を取り付けた、シートベルトキャッチを取り付けてみた状態その2

下はS660のクラッチペダルにハイリフトカバーを取り付けたところ、自分好みにフィッティングさせていくのが楽しい。

S660のクラッペダル改善、ハイリフトクラッチペダルカバーを装着

エンジンに関してはハイパワーであることに越したことはないが、管理人TomTomの場合は小排気量のクルマが多かったのでS660でもあまり気にならない。
それよりもエンジンについてはレスポンスのほうが重要だと思っていて、自分の思ったような反応をしてくれることが気持ち良い。
ブーストを上げることによりパワー感やトルク感は出るだろうが、せっかくのノーマルエンジンのNAのようなレスポンスを犠牲にはしたくない。
シフトに関しても、エンジンのレスポンスを活かせるようなスピード感のあるシフティングができれば良い。
S660のミッションは素早いシフティングには少々不安が残るのだが、今のところ支障は出ていない。
ミッションオイル(ミッションとデフ兼用)の容量が少ないだけに耐久性が気になるところなので適時のミッションオイル交換は必須だと思う。
この点、S660のドライブトレインはギリギリ及第点というところか。

ちなみに足回りやステアリング周りをリジット化するとレスポンスが向上していくのは間違いない。
ここで言うリジット化というのはゴムブッシュを排除した高剛性化のことだ。
例えば、可動部にピロボールを使用したり、固定時のコンプライアンスを詰めたりする事だ。
これを行うには前述のボディ剛性をしっかり確保しておく必要がある。
当たり前だが土台がしっかりしていないといけない。
管理人TomTomはS660に関しては利用用途がツーリングということもあり、今のところこうした必要性は感じていない。
S660はノーマルのままでも十分レスポンスはあり、逆にもう少し鈍くしたいほどだ。
ステアリングの剛性感については購入当初感じた保舵力や操作が軽い事による剛性不足感は間違いだと思っている。
軽いながらも剛性感は十分あり、かなりリニアな動きをするので今のところ全く問題ない。
あまりにクルマを敏感にし過ぎても疲れてしまう事もあるだろうから、そのへんのバランスが難しいところだと思う。

S660リアサブフレームはアルミ製

個人的にS660で不満なのがブレーキだ。
S660ノーマルのブレーキは踏んだ時にどれくらい効いているのか全く分からないのにビックリした。
様々なクルマに乗ったが、S660ほど難しいブレーキは初めてだ。
現在ではブレーキパッドを交換して、エア抜きしまくって、やっとなんとかドライビングできるようになってきた。
思うにミッドシップである特性を活かしきれていないブレーキだ。
ミッドシップ故にブレーキングの際の姿勢変化は少ないほうだが、効きに関してはリニアではなくドライビングが難しい。
S660は一応前後同じサイズのブレーキディスクが付いているということは、リアのブレーキについても配慮したということなのだろう。
だがその効きに関して感覚的にリニアではないので、もう少しリアよりのバランスが良いのかもしれないと思っている。
最近では、この原因はひょっとしたらブレーキペダルの剛性が足りないのかもしれないと思い始めている。

S660のブレーキパッド交換、右フロントもパッド交換して各部をお掃除

2回目の1年点検で気がついたこと

2年乗ったS660に管理人TomTomが感じていることは、ここまで書いたようなことだ。
で今回2回目の1年点検をディーラーで受けてみて感じたことを書いてみよう。

今回S660を購入後初めてエアフィルターを交換した。
エアフィルターと言ってもエンジンの吸気のエアフィルターだ。
管理人TomTomとしては今のところ給排気系を基本的に弄るつもりは無い(フラッシュエディターだけ)。
今回2回目の1年点検で走行約19,000kmを後にしたエアフィルターを交換した。
そのディーラーからの帰りにアクセルペダルを踏んだ際のエンジンレスポンスにビックリしてしまった。
なんともレスポンスが良いのだ。

S660のホンダ純正のエアフィルターは湿式となっていて、外してみると今どきのエンジンらしくブローバイでかなり汚れている。
管理人TomTomが勝手に思い込んでいたのが、湿式なので年月が経過するほどに染み込んでいるオイルが乾いて吸気も楽になると思ってた。
その結果、吸気が楽になってアクセルレスポンスが徐々に良くなっているはずと思い込んでいた(汚れた分のマイナスはあるが)。
しかし実際には新品のエアフィルターに交換した直後にはアクセルペダルを踏んだ際のレスポンスがかなり良くなっている。
これはどういうことなのだろうかと思った。
やはり湿式のエアフィルターに染み込んでいるオイルが新鮮なうちのほうがレスポンスも良いのだろうか?
それとも純正エアフィルターが改善されているのだろうか?
これは良く分からないのだが、今後は純正エアフィルターを1年毎に交換しようと思う。
ちなみにS660のマニュアルにはエアフィルターの交換間隔は書いていない。

噛めば噛むほど味が出るS660という感じ?

S660は軽自動車にもかかわらず奥の深い車だと思う。
最近では、さすがホンダがSシリーズの一環としてネーミングしただけのことはあると思う。

S660に乗り始めた当初は、足回りの当たりが付いていないので乗り心地も荒くピッチングが酷かった。
走行が15,000kmを超えるようになってきてから、やっと純正の足回りがマシになってきたように思う。
S660の純正の足回りはあまり評判が良くないようだが、管理人TomTomは特に伸び側の仕事が見事だと思う。
見てくれよりは伸び側のストロークが長くて荒れた路面でもタイヤが路面から離れてしまうようなことが少ない。
これでもう少し前後のピッチングを抑え込むことができるのならストリートや峠では良いだろうと思う。
これもコストとの兼ね合いの結果なのだろう。

下の画像はリジットジャッキに上げた時のS660の様子、足が伸びるのが良く分かる。

管理人TomTomはS660をサーキットに持ち込んだことが無い。
だから、ストリートではS660の限界を見ることが出来ないでいる。
もう少し攻め込んでみたいところだが、ストリートや峠では難しいと感じている。
ストリートや峠ではS660の限界を超えるドライビングはかなりのリスクを侵さないと見れないだろう。
それに自分にそんな腕も無いのかもしれない。

こんな感じだからストリートや峠でS660をドライビングしていても全く安定している、しかもエコタイヤに履き替えてもだ。
S660は軽自動車だが奥の深いスポーツカーになっていると思う。
その外観からカッコだけのひ弱なクルマだと思われがちだが、その本来の素性は骨太のスポーツカーであることは間違いない。


そんな噛めば噛むほど味が出るS660をもっともっと味わいたいと思う今日この頃である。

今回はこのへんで
では