新型プリウス2016のスペック続報 その3:リアサスは4WD化に必然のダブルウィッシュボーンで走りを期待できそう

今回トヨタから発表された新型プリウス2016の技術内容がトヨタから発表されている。
新型プリウス2016は「カッコよさを際立たせる低重心スタイル」や「走りの良さ・乗り心地の良さ・静かさ」をテーマとしていて走りも気持ち良く楽しめる方向に進んでいるようなのだ。
ここで注目すべきは外観や燃費性能もさることながらTNGAの恩恵であるリアサスペンションのダブルウィッシュボーン化と低重心化だ。
新型プリウス2016のフロント画像
↑ 新型プリウス2016のフロント画像、少し見慣れてきた外観、良く見るとなかなか理にかなったデザインだ、ボンネット高が比較的低い、ルーフの後部への落ち込みが凄いリアシートが心配だが対策されているようだ、フロントグリルはどうにかした方が良いだろう、画像はメーカーサイトより拝借

新型プリウス2016のリア画像
↑ 新型プリウス2016のリア画像、リアは相変わらず近未来的でオーバーハングが非常に長く感じる、空力優先にしたからこうなるのだろう、リアの視界はまたまたリアガラス分割で悪そうだ、画像はメーカーサイトより拝借

3代目プリウスの管理人の勝手な評価

管理人TomTomは購入しようとした事はあるが残念ながらプリウスを所有したことは無い。
しかし身近にはたくさんプリウスがある。
ご近所にはプリウスG’zが生息しているしプリウスPHVの10daysモニターもさせていただいた。

3代目プリウスにはざっと次のような感想を持っている。
・ボディー剛性は及第点
・動力性能は及第点、踏むと良く走る
・燃費は素晴らしいが伸ばすには独特のテクニックが必要
・手に触れるところが固く感じて冷たい感じ
・ステアリングホイールが楕円で扱いにくい
・アクセルオフ時の回生ブレーキの強度が調整できない
・サスペンションは動きが渋くて乗り心地悪く、リアの追従性も悪い
・後方視界が悪い、特に夜間
・アクセルのオン/オフの感触が悪い
・リアシートの天地が狭く大人は苦しい
・タッチトレーサーは秀悦、現状ベストなマンマシンインターフェースの1つ

多くのユーザーがこうした不満や印象を持っているのだと思う。
こうしたポイントが今回の新型プリウス2016ではどうなったのかを追ってみたい。
新型プリウス2016のインパネ画像
↑ 新型プリウス2016のインパネ画像、前回も書いたがフラットデザインなインパネ、高級感は無いが新しいと言えば新しい、やっとステアリングホイールは真円で偏心しないものとなった、画像はメーカーサイトより拝借

新型プリウス2016のフロントシート画像
↑ 新型プリウス2016のフロントシート画像、3代目プリウスのシートも悪くは無かったががさついた印象があった、比較的フラットな形状だが良くなっているだろうか、画像はメーカーサイトより拝借

新型プリウス2016のリアシート画像
↑ 新型プリウス2016のリアシート画像、明らかに後席足元は広くなっている、後席のヘッドルームがやはり気になるところ、座高の高い管理人が後席に座ってどうなるか楽しみだ、画像はメーカーサイトより拝借

新型プリウス2016のスペック

今回トヨタから発表されている新型プリウス2016のスペックをざっとまとめてみると次のようになる。

サイズ:全長4,540mm×全幅1,760mm×全高1,470mm
ホイールベース:2,700mm
エンジン:1,797cc、新2ZR-FXE、2系統冷却システム
エンジン最高出力:98PS/5,200rpm
エンジン最大トルク:142Nm/3,600rpm
モーター最高出力:72PS
モーター最大トルク:163Nm
サスペンション:前記述は無いがたぶんストラット形式、後ダブルウィッシュボーン
駆動方式:FF、E-Four(4WD)
ヘッドライト:Bi-Beam LEDヘッドランプ
安全装備:「Toyota Safety Sense P」
CD値:0.24
デザインコンセプト:「ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)」

新型プリウス2016の低重心化説明画像

↑ 新型プリウス2016の低重心化説明画像、コレを見るとかなり低重心化されたことが分かる、問題はこの事がドライバビリティーにどう反映されたかという事だ、画像はメーカー報道発表資料より拝借

リアダブルウィッシュボーンの必然性

ここ最近トヨタはリアサスにダブルウィッシュボーンの採用を進めているように見える。新型のアルファードなんかもそうだ。
新型プリウス2016はTNGA採用の第1号車でありそのシャーシが非常に気になるところだ。

今回の発表にも新型プリウス2016のリアサスはダブルウィッシュボーンとある。
構造図を見てみるとE-Fourを実現するためには左右が繋がったビーム構造のサスペンションは難しいだろう。
加えて最近のトヨタのリアサスダブルウィッシュボーン化の流れにも合致している。

TNGAのシャーシはある程度柔軟性のあるモノだと思うがリアサスはひょっとしたらダブルウィッシュボーンが基本となるのだろうか。
もしそうすると大変興味深い事だ。
先日発表されたS-FRも前後ダブルウィッシュボーンという情報がある。
もしTNGAシャーシなら実現可能という伏線なのか?
ついついこうした妄想をしてしまうのだった。
新型プリウス2016のリアサス画像
新型プリウス2016のE-Four説明画像
↑ 新型プリウス2016のE-Four説明画像とリアダブルウィッシュボーンサスペンション、このE-Fourを収める必要があったためビーム形式の半独立サスペンションは不可だったと思う、それに乗り心地やドライバビリティー改善にはリアダブルウィッシュボーン形式は非常に有効だ、ひょっとしたらTNGAの標準リアサスはダブルウィッシュボーンなのだろうか、画像はメーカー報道発表資料より拝借

バッテリーミッドシップ

最近のEVやHVでは車軸内にバッテリーを収めることが重要となって来ている。
車両の重心位置やスペース効率を考えると当然の事なのだがバッテリー技術と密接に関係するので難しい部分もあるようだ。
しかしテスラ等を筆頭にこれを実現している車も多くなってきている。

新型プリウス2016ではバッテリーを小型化してシート下に搭載した。
もうこの形式はバッテリーミッドシップと名付けて良いのではないだろうか。
車の運動性能を考えると重量物を車軸間に収めるのをミッドシップというのだから、バッテリーに関してはミッドシップなのだ。

スロコンによる演出

気持の良い運転を実現するのにアクセルペダルと出力の出方、またはエンジンの回転数との関係は非常に重要だ。
一般のユーザーではゼロ発進からのアクセルのツキが良く走る車との評価につながる事が多い。

さらにある程度の速度域でパーシャルスロットルからのアクセル操作に対するツキは高速道路での評価につながる。

管理人TomTomは3代目プリウスPHVに乗った時にワインディングを走りながらのアクセルのOn/Offのツキが悪く印象が悪かった。
コーナー手前でアクセルをOffにするとエンジンがストップしてしまう、それから加速に移るとエンジンが掛かるのだが当然レスポンスは悪いのだ。
燃費重視するとこうした弊害が出てワインディングを走るのが楽しくない。

スロコンのようなアクセルペダルとエンジン回転の関係を変化させる事は技術的に容易な事だ。
だがもう一歩踏み込んでワインディングが楽しいプリウスになっているのだろうか。
これは乗ってみない事には分からない。
新型プリウス2016のスロットル特性説明画像
↑ 新型プリウス2016のスロットル特性説明画像、確かに3代目プリウスのパワーモードは良く走るスロットル特性だけではないだろうが、細かくこうした感性に通じる部分をチューニングしている事が分かる、画像はメーカー報道発表より拝借

昇温・降温抑制機能付、真円で偏心しないステアリングホイール

管理人TomTomは以前からステアリングホイールは真円で偏心しないものがベストだと主張してきている。
新型プリウス2016のステアリングホイールがそのように改善されている。これは扱いやすくなっている事だろう。

さらにステアリングを握った時に寒い時には冷たく感じない、暑い時には熱く感じないような仕掛けがあるようだ(難しい言葉だ)。

管理人TomTomは現状の車のマンマシンインターフェースのベストの1つとしてタッチトレーサーを挙げている。
だた一つ心配なのがそのタッチトレーサーが引き継がれるのかどうかだ。
もしタッチトレーサーが採用されていないようならマンマシンインターフェースとしては退化してしまったという事になる。
新型プリウス2016のステアリングホイール説明画像
↑ 新型プリウス2016のステアリングホイール説明画像、やっと真円で偏心しないステアリングホイールになった、形状自体は面白味の無いモノだ、気になるのはタッチトレーサーが受け継がれるのかどうかという事、無くなってしまったらマンマシンインターフェースが退化してしまう、画像はメーカー報道発表より拝借

「ITS Connect」搭載の第2号車となりそう

トヨタの「ITS Connect」については別の記事に詳しいのでそちらを参考にして欲しい。
2015年内に「ITS Connect」を出すとアナウンスされた翌日に第1号のクラウンが発表された。

そして今回の新型プリウス2016が第2号となる。
それだけ新型プリウス2016は日本国内においても重要な車種だという事だ。
もちろん世界的にはトヨタのイメージリーダーたる車なので重要なのは言うまでもない。

トヨタの重要戦略車種には今後ドシドシ搭載されることになるだろう。

管理人の新型プリウス2016の感想

ココまでの情報で新型プリウス2016の感想を書いてみたい。

全体の印象

新型プリウス2016は実質的に北米をメインマーケットとしている車だが、実にうまくそれを感じさせない内容となっている。
他のメーカーのように明らかに日本のマーケットはおまけで軽視しているんですという部分が感じられない。
このあたりはトヨタのマーケティングが一流である証拠だろう。
特に「ITS Connect」は現状日本国内での技術なのでコレを積んできたことがこの印象を加速している。

走りへの期待

3代目プリウスまでは実用車としては良いが、高級感やしっとり感がイマイチだった。
さらにエンスーの要求を満たすだけのドライバビリティーが無かった。
サスペンションは動かないし各コントロール類は固くて渋くレスポンスも鈍くてリニアではない。

それが大きく改善されている可能性がある。

車好きがワインディングに新型プリウス2016を持ち込んで走らせても、コレええやん!となる可能性もあると思う。
走る事が好きな人にも受け入れられるかもしれない。

外観

ここのところ新型プリウス2016の画像や動画を沢山見たからかもしれないが外観には違和感を感じなくなってきた。
逆になかなか良いのではという印象に代わってきたのは事実だ。
この分野でちょっと気になるのは女性の評価なのだ。
3代目プリウスを購入検討した際に家内がどうしてもこのデザインがダメ、ということで購入を断念した事があるのだ。
ここは女性の感想を聞いてみたいところだ。
ウチの家内にも聞いてみよう。

外装色に黄色がある!

無類の黄色好きの管理人TomTomだが、新型プリウス2016にも黄色があるのだ。
少し明る過ぎるきらいもあるが、車の先進性とマッチして良いと思う。
新型プリウス2016のイエローサイド画像
↑ 新型プリウス2016のイエローサイド画像、ちょっと派手目な黄色だが拍手!、サイドから見るとボンネットがカモノハシ形状で新幹線700系と同じだ、それに続くキャビンと合わせて空力対策が凄い事になっている、リアのオーバーハングも分厚くて長いのは空力のためだ、画像はメーカー報道発表より拝借

発表資料は良く言えば素朴だが

新型プリウス2016のトヨタの発表資料が大変素朴だ。悪く言えばカッコ悪い。

これじゃ普通以下のパワーポイント資料だ。プレスリリースのページからダウンロードできる。

最近のトヨタはWebも見やすくなったし動画も多用してきている。
トヨタとしてはこうした発表資料をもっとカッコ良くしなければならないだろう。
今時、システム屋でももっとマシなプレゼン資料を作ると思う(苦笑)。

新型プリウス2016シリーズ記事

2015/09/19
ついに新型プリウスが姿を現した、その2:少しスペック判明

2015/09/16
新型4代目プリウスに採用されたTNGAってなんだ?

2015/09/09
ついに新型プリウスが姿を現した、スペックはまだ不明

今回はこのへんで
では